2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質放出と放出量調節機構の解明(放出過程とイオン動態の可視化)
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14580671
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 直哉 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50222063)
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Keywords | シナプス前末端 / 自発放出 / マグネシウムイオン感受性蛍光色素 / カルシウムイオン / 神経筋接合部 / ミオシン軽鎖リン酸化酵素 / マグネシウムイオン / 短期可塑性 |
Research Abstract |
1.前末端内へのMg^<2+>蓄積による自発放出頻度と刺激に同期した放出の増大 Ca^<2+>フリー(1mM EGTA)で5mM Mg^<2+>存在下のリンガー液中において連続刺激によりカエル神経筋シナプス前終末からの伝達物質の自発放出頻度が数十倍に増大する主な原因が、Ca^<2+>チャネルを通って前末端内にMg^<2+>が流入・蓄積されることであることをMg^<2+>イメージングやN-type Ca^<2+>チャネルブロッカーであるω-conotoxin GVIAの効果により示した(論文投稿中)。さらに、Ca^<2+>フリーでの連続刺激の前後でシナプス領域に局所的に与えたCa^<2+>リンガーに対する単発刺激によるEPPも5倍程度に増大させることも見出した。このEPP増大も自発放出頻度の減衰時定数と同程度の数十秒から数分の減衰時定数で減衰した。 2.前末端内Sr^<2+>動態へのミトコンドリアの寄与 カエル神経筋シナプ不前末端内のSr^<2+>動態とCa^<2+>動態の解析を同一シナプスで行なった。同じ刺激頻度でのシナプス前末端内フリーSr^<2+>濃度はCa^<2+>の10倍存在し、前末端内のバッファー作用がSr^2に対してはCa^<2+>よりかなり弱いことが示唆された。さらに、Ca^<2+>の場合にはミトコンドリアへCa^<2+>を取り込むことで除去されるが、この機構がSr^<2+>に対しては働かないことも見出した。また、Sr^<2+>が細胞内Ca^<2+>ストアーからのCa^<2+>放出を促す作用についてはイメージング測定において確認できなかった。 3.遅い短期可塑性へのMLCKの寄与 ML-7を始めとする種々のミオシン軽鎖リン酸化酵素の阻害剤の増進・増強成分への効果、Ca^<2+>流入に対する効果、シナプス小胞の動態に対する効果について調べた。ML-7は増進・増強成分を制御するがCa^<2+>流入に対しては効果は無いことが判った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Naoya Suzuki: "Ca^<2+>dynamics in presynaptic terminals and control of transmitter release by Ca^<2+>buffering"Recent Research Developments in Molecular & Cellular Biology. (印刷中). (2003)
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[Publications] 鈴木直哉: "蛍光測定 第5章 共焦点顕微鏡法"学会出版センター(印刷中). (2003)