2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580678
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
茶圓 茂 日本大学, 文理学部, 教授 (60142452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸田 晋策 創価大学, 工学部, 助教授 (40231732)
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Keywords | アクトミオシン / 1分子生理 / FENN効果 / 筋収縮 |
Research Abstract |
非筋ミオシン・アクチン複合体にADPを加えるとミオシン軽鎖部位に構造変化が起こる。このADP結合にともなう構造変化は非筋ミオシン・アクチン複合体に対するADPの親和性が非常に強いという事実から、ストレイン依存的にADPが遊離する機構を示すものと考えられる。本研究は、ADP遊離速度がクロスブリッジのストレインに依存するかどうかを1分子力学測定で明らかにすることである。平成14年4月に、日本大学文理学部に着任したため、実験装置をゼロから作り上げる必要が生じた。したがって、平成14年度は、(1)1分子力学測定用実験装置を完成させること。(2)1分子力学測定用実験装置を使って、ニワトリ小腸微絨毛ミオシンI(前年度までに抽出し液体窒素中に保存)の力発生を測定すること。以上を目標においた。まず実験装置の組み立ては、予算が限られているため、顕微鏡対物レンズ、ミラー、レンズ、ダイクロイツクミラーを防振台上に配置し、1分子力学測定装置を完成させた。この装置には、エバネツセント照明により1分子蛍光色素がイメージングが可能な光学系も取り入れた。そして、この装置を用いて、ニワトリ小腸微絨毛ミオシンIの力発生測定に成功し、1分子力学測定装置が充分機能することを確かめた。今後は「微小変位振動を与え、非筋ミオシン1分子の力発生を計測する」ことを目標において、研究を進める。この微小変位振動は計画調書作成時にはピェゾナノポジショナーを使い、ステージを動かすことにしていたが、予算がないために、レーザービームをガルバノスキャナーで振ることに変更し、この装置も完成させた。そして、15年度には外部振動と力発生との位相のタイミングのデータから、ストレイン依存性を解析する。
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