2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオソーム表面におけるDNAの回転の転写制御への関与
Project/Area Number |
14580679
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小村 潤一郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10215410)
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Keywords | クロマチン / ヌクレオソーム / 電解放射線 |
Research Abstract |
前年度までに、高等真核細胞内の各遺伝子上でヌクレオソームがどの領域を占めているかを決定する方法、および各ヌクレオソーム上でDNA二重螺旋のどの部位がヒストンに面しているかあるいは溶液側に露出しているかを決定する方法を開発した。本年度はこれらの方法を用いて、転写活性とヌクレオソーム配置との関係を検討した。ヒト細胞のc-FOS遺伝子のプロモーター内には通常ヌクレオソームが定位置に存在している。ここでは、c-FOS遺伝子の発現レベルが大きく変化する二つの例をとりあげ、その状況下におけるこの局在ヌクレオソームのふるまいを詳しく検討した。 ヒト細胞を血清で刺激すると、c-FOS遺伝子の急速な活性化がみられるが、これにはヒストンのアセチル化、リン酸化の変化が伴っている。このときプロモーター内に局在するヌクレオソームに関して位置関係の変化が生じているかを検討したが、全く変化が認められなかった。このヌクレオソームは、遺伝子活性化に際して化学修飾を受けるにもかかわらず、一切の位置変化を起こさないようである。 細胞周期のM期においては、ほとんどの遺伝子で転写は完全に停止する。このときのc-FOSプロモーター内におけるヌクレオソームの分布を解析したところほぼランダムとなっており、間期における局在は全く失われていることが判明した。このことから、M期における転写の停止には、転写活性に対応したヌクレオソーム配置・クロマチン構造の喪失が関係していると推測している。
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Research Products
(1 results)