2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュを活用した第2相異物代謝酵素誘導機構の解明
Project/Area Number |
14580680
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 麻已人 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (50254941)
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Keywords | 異物代謝 / ゼブラフィッシュ / 転写制御 / 変異体スクリーニング / 分子生物学 |
Research Abstract |
第2相異物代謝酵素群は、親電子性物質や酸化ストレスの刺激により転写レベルで発現誘導される。本研究では、この制御に関与する未知因子の単離同定を目的に、ゼブラフィッシュを用いた突然変異体スクリーニングを試みることにした。突然変異はエチルニトロソ尿素により導入し、スクリーニングは3世代交配法を用いて行った。具体的な突然変異体の探索は、4日幼魚の段階での、親電子性物質ジエチルマレイン酸処理時のGstp遺伝子の発現誘導をin situハイブリダイゼーション法により観察する方法を用いた。解析ファミリー数が少ないため、これまでのところ、Gstp遺伝子の発現が異常になった系統は得られていない。しかし、心臓形成異常や腹側化変異体など、形態形成異常が観察された突然変異系統を10系統以上単離しており、突然変異導入は成功していると判断できた。今後さらに解析数を増やし、目的の突然変異体の単離を目指す予定である。 一方、スクリーニングの迅速化・簡便化を目指し、誘導剤に応答して発光するトランスジェニックフィッシュの系統化を計画している。これを目的に、Gstpプロモーターの転写制御機構を初期胚を用いたGFPレポーター法により解析したところ、転写因子Nrf2がその発現誘導を司ることがわかった。欠失及び点変異レポーター構築を解析した結果、Nrf2による活性化には転写開始点上流約50bpに存在する配列(PARE配列と命名)が必要十分であることが明らかとなった。ゲルシフト解析の結果、Nrf2はPARE配列に直接結合することが明らかとなった。初期胚をジエチルマレイン酸で処理したところ、Gstp-GFPレポーター遺伝子由来のGFP発光が誘導された。PARE配列に点変異を導入した構築ではこの誘導が観察されなくなったことから、親電子性物質の標的はPARE配列であることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kobayashi, M.: "Identification of the interactive interface and phylogenic conservation of the Nrf2-Keap1 system"Genes Cells. 7(8). 807-820 (2002)
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[Publications] Kobayashi, D.: "Early subdivisions in the neural plate define distinct competence for inductive signals"Development. 129(1). 83-93 (2002)
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[Publications] 小林麻己人: "親電子性物質センサー分子同定を目指したゼブラフィッシュの活用"実験医学. 20. 1656-1661 (2002)