2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580681
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北川 元生 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (40262026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張ヶ谷 健一 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40101894)
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Keywords | Notchシグナル伝達系 / Mastermind / 細胞内シグナル伝達 / 転写因子 |
Research Abstract |
われわれはすでにショウジョウバエMastermind(Mam)のヒトホモログhMam-1を同定し、さらにこれらの機能を見いだし報告している。今回新たにhMam-1とそれぞれ30%、20%の相同性をもつ二つのヒトタンパク質を同定し、それぞれhMam-2、hMam-3と命名した。Northern blotting法により各組織でのこれらのmRNAの発現を検索したところ、hMam-2は前立腺、精巣、卵巣等の比較的限局した組織で発現が見られたのに対し、hMam-3はhMam-1と同様多くの組織で発現が見られた。次にこれらのタンパク質について機能を検索した。hMam-2、hMam-3はいずれもhMam-1と同様に、1)Notch1細胞内ドメインおよびRBP-Jと複合体を形成して標的プロモーター内の塩基配列に結合する。2)Notch1細胞内ドメインあるいはRBP-Jそれぞれ単独とは結合せず、これら両者が存在してはじめて複合体へ参加できる。3)Notch1細胞内ドメインによる標的プロモーターの転写活性化を上昇させる。さらにこれら3種のMamタンパク質と哺乳動物の4種のNotchの細胞内ドメインとの相互作用を検索したところ、考えられる12種の組み合わせすべてにおいて、RBP-Jを含むDNA結合性の複合体が形成した。また標的プロモーター転写の4種のNotchいずれによる活性化も全3種のMamにより上昇したが、hMam-2は他の2種に比べNotch3とNotch4による転写活性化をより強く増強した。以上よりMamは高等真核生物においては類似の機能を持った少なくとも3つのメンバーを有するファミリーを形成しており、その存在が各種細胞におけるNotchシグナルの強度に多様性をもたらしている可能性が考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Lin S.-E.et al.: "Identification of new human Mastermind proteins defines a family that consists of positive regulators for Notch signaling"Journal of Biological Chemistry. 277. 50612-50620 (2002)
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[Publications] Fujita Y. et al.: "CD44 Signaling through focal adhesion kinase and its anti-apoptotic effect"FEBS Letters. 528. 101-108 (2002)