2003 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞のペキソファジー過程における自食作用関連遺伝子産物の解析
Project/Area Number |
14580693
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
横田 貞記 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (40020755)
|
Keywords | ラット肝ペルオキシソーム / 自食作用 / 自食作用関連遺伝子 / ペキソファジー |
Research Abstract |
自食作用関連遺伝子(ArG)、Agp5、Apg12、およびLC3の哺乳類ホモログの産物に対する抗体を調製した。イムノブロット法により各抗体は対応する目的タンパクと特異的に反応することが確かめられた。はじめに、増殖したペルオキシソームの減数過程にあるラット肝の凍結切片を、これらの抗体を用いて免疫蛍光染色、免疫電顕染色し、観察した。一部の自食胞は染色されたが、ペルオキシソームを取り囲む膜様構の造染色は認められなかった。次に、自食胞の蓄積を誘導するために、ペルオキシソームを増殖させたラットにロイペプチン投与して、30分、60分、90分、120分に肝臓の試料をとり、食作用関連タンパクを、イムノブロット法と免疫染色法で観察したが、特に関連タンパクの増加はなく、ペルオキシソームを囲む膜様構造は染色されず、蓄積した自食リソソームが染色された。次に、ペルオキシソームを増殖させたラット肝臓の肝細胞を初代培養し、次の実験を行った。1)細胞を4日培養し、ArG産物とカタラーゼを二重染色する。2)貧栄養下における細胞をさらし、ArG産物を同様に、またカテプシンD染色する。3)自食作用阻害剤3-メチルアデニンで細胞を処理し、ArG産物を同様に染色する。また同時に細胞の抽出液のArG産物をウェスタンブロット法で分析した。ペルオキシソームを取り巻くようなArG産物の染色はなかった。飢餓条件で、自食胞は増加し、3-メチルアデニン処理で、増加は抑えられた。カタラーゼが同時に局在する顆粒は20%程度であった。ArG産物とカテプシンDは同じ顆粒に局在した。ウェスタンブロット分析では特にArG産物の増加はなかった。これらの結果は、増殖ペルオキシソームの分解は自食作用で一部行なわれるとしても、ArGが関与するシステムとは異なることを示唆する。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Sadaki Yokota: "Degradation of Normal and Proliferated Peroxisomes in Rat Hepatocytes : Regulation of Peroxisomes Quantity in Cells"Microscopy Research and Technology. 61. 151-160 (2003)
-
[Publications] Celina M.Haraguchi: "Spatiotemporal Changes of Levels of a Moonlighting Protein, Phospholipid Hydroperoxide Glutathione Peroxidase, in Subcellular Compartments During Spermatogenesis in the Rat Testis"4 Biology of Reproduction. 69. 885-895 (2003)
-
[Publications] Celina M.Haraguchi: "Localization of a mitochondrial type of NADP-dependent isocitrate dehydrogenase in kidney and heart of rat : an immunocytochemical and biochemical study"Journal of Histochemistry and Cytochemistry. 51. 215-226 (2003)
-
[Publications] Celina M.Haraguchi: "Localization of NADP-dependent Isocitrate Dehydrogenase in Rat Kidney Peroxisome"ACTA HISTOCHEMICA ET CYTOCHEMICA. 36. 465-469 (2003)
-
[Publications] Celina M.Haraguchi: "Epression of cathepsin H in differentiating rat spermatids : immunoelectron microscopic study"Histochemistry and Cell Biology. 120. 63-71 (2003)
-
[Publications] 横田貞記: "オートファゴソーム形成過程の微細構造"生体の科学. 54. 495-500 (2003)