2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580699
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
都留 秋雄 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (80273861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 憲二 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 教授 (50142005)
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Keywords | 小胞体 / ストレス応答 / IRE1 / BiP / センシング |
Research Abstract |
真核生物において、小胞体内の環境が攪乱され、unfolded proteinが蓄積すると、小胞体内在性のシャペロンと呼ばれる蛋白質群が転写レベルで誘導される。この反応はunfolded protein response(UPR)と呼ばれ、ストレスによる障害から細胞を保護する。酵母においては小胞体内腔環境のセンサー分子としてIRE1、哺乳類においてはIRE1α、IRE1βおよびPERKとよばれる3種類の膜貫通型蛋白質が同定されている。酵母IRE1、哺乳類IRE1αおよびβは、N末端を小胞体内腔側、C末端を細胞質側に露出させているI型膜貫通蛋白質である。これらの分子のN末側は小胞体内の環境変化を感知すると考えられている。我々は酵母において、非ストレス時においては分子のN末端側に小胞体シャペロンであるGRP78/BiPが結合しているが、細胞に小胞体ストレスを与えるとGRP78/BiPが離れるという現象を見出し、報告している。 そこで我々は、酵母IRE1の小胞体内腔領域の一部をシーケンシャルに欠失させた変異体を作成し、小胞体シャペロン誘導活性を調べたところ、2つの領域の存在が見いだされた。N末側の領域の一部を欠失させた場合、小胞体ストレスの有無に関わらずGRP78/BiPが解離しないことから、この領域はGRP78/BiPとの結合解離に重要であると考えられた。一方小胞体膜寄りの領域の一部を欠失させた場合にはGRP78/BiPは小胞体ストレスによって解離するが、IRE1は活性化しないというデタが得られた。したがってこの領域はIRE1の活性化(おそらくoligomerization)に関与しているのではないかと予想される。 以上のことは、IRE1とGRP78/BiPのinteractionを詳細に解析する上で重要な情報になると考えられる。
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