2002 Fiscal Year Annual Research Report
免疫電顕法を用いた小胞体-ゴルジ体間輸送装置の3次元的解析
Project/Area Number |
14580704
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
山本 章嗣 関西医科大学, 医学部, 講師 (30174775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
征木 龍一 関西医科大学, 医学部, 講師 (70140283)
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Keywords | 免疫電顕法 / 小胞体 / ゴルジ体 / 小胞輸送 / 3次元 / 銀増感法 / GM130 / 立体観察 |
Research Abstract |
小胞体ゴルジ体間の小胞輸送の機構を明らかにすることを目的として、その輸送に関わる分子群(GM130,p115,Sec 13pなど)の細胞内局在を免疫電顕法を用いて3次元的に解析する研究を開始した。培養細胞の場合は、固定後、細胞に透過処理をほどこし、まるごと抗体と反応させたあと、1nm金コロイド2次抗体複合体と反応させ、銀増感をおこなった。銀増感によって、標識は20-40nmほどの大きさに成長し電顕観察が容易になる。組織の場合は、固定後、6μmの凍結切片を作製し、同様に免疫染色を行った。その後、細胞・組織をエポン樹脂に包埋し、厚手の超薄切片を作製し、+20度から-20度の傾斜をかけて試料を観察し、写真撮影した。その結果、切片の厚さが約250nmの厚手の超薄切片(通常は約80nm)も、120kVのやや高い加速電圧をかければ電顕観察が可能であること、約250nmの厚みがあると、小胞体ゴルジ体間の輸送については、かなりの3次元情報が得られることが明らかになった。GM130はシスゴルジ蛋白質で、小胞体および中間区画から輸送されてきた小胞をシスゴルジ膜に繋留する機能をもち、ゴルジ体の形成・維持にも働いていると考えられている。NRK細胞、ラット精巣におけるGM130の局在を、250nm厚の超薄切片で解析したところ、シスゴルジ膜の細胞質側面に多数のGM130が、かなり一様に分布していることを観察できた。立体観察のための画像処理にも成功した。現在、銀増感による標識粒子の直径が大きいため、粒子の重なりによって3次元的解析に障害が出るので、より微細な銀増感条件を検索している。p115,Sec 13pについても解析を開始した。
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