2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580713
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
春本 晃江 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (80198936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯尾 英夫 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80145771)
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Keywords | ブレファリズマ / 接合 / 繊毛虫 / PCR / ガモン |
Research Abstract |
本研究は、繊毛虫の接合がどのような機構で開始されるのかについて分子的な機構を明らかにしょうとしている。本年度は以下の研究を行った。 1.発現ベクターを用いたガモン1大量発現系の構築 ガモン1遺伝子を発現ベクターに組み込み、大腸菌を形質転換し、ガモン1の大量発現を誘導した。その結果、matureガモン1遺伝子を組み込んだ大腸菌ではガモン1が大量に発現された。しかし、この組換えガモン1は不溶性分画に現われ、回収したガモン1には接合誘導活性は見られなかった。今後は、更にプラズミドの種類や培養条件を検討し、ガモン1を可溶性分画に回収して、活性のあるガモン1を得ることを課題とする。 2.ガモン1合成の調節機構の解明 様々な条件下の細胞で、ガモン1が発現しているかどうかをノーザンブロッティングにより調べた。その結果、対数増殖期や接合型IIの細胞ではガモン1を発現していないことがわかった。また接合型Iの細胞は、適度な飢餓状態になるガモン1を発現し始めるが、ガモン2の刺激を受けるとさらに多くのガモン1を発現した。また飢餓状態が進むほどガモン1を多く発現することがわかった。 将来的にプロモーター部分の配列を明らかにするために、まずゲノムのガモン1遺伝子を単離し塩基配列を決定した。ブレファリズマR1072株よりDNAを抽出し、これをテンプレートとしてPCRを行い、ゲノムのガモン1遺伝子を増幅し、これをクローニングし、シークエンスを行った。その結果、ゲノムのガモン1遺伝子はガモン1のcDNAの配列と全く同一であり、ゲノムのガモン1遺伝子内にイントロンは存在しないことがわかった。 3.ガモン1抗体の作製 これまでに我々は、ガモン1の全アミノ酸配列を明らかにしてきたので、この配列を基にアミノ酸11個から成るオリゴペプチドを作製し、このオリゴペプチドに対する抗体を作製した。今後、この抗体を用いて、ガモン1の受容体の単離やガモン1の細胞内での合成・輸送経路を探る計画である。
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Research Products
(1 results)