2004 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体からミトコンドリアへのストレス伝達と神経細胞死についての研究
Project/Area Number |
14580739
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
堀 修 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (60303947)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 智 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (90283746)
北尾 康子 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (00019613)
|
Keywords | 小胞体ストレス / ミトコンドリア機能 / 神経細胞死 |
Research Abstract |
1)ミトコンドリアにおけるunfolded proteinの蓄積と、Lonの発現及び機能の関係について HeLa細胞にEthidium Bromide(EtBr)を加え培養し、ミトコンドリアDNAを欠損した細胞を作製した。この時、ミトコンドリアDNA由来のcytochrome c oxygenase II(COXII)は、RNA及び蛋白レベルで発現を認めなかった。一方、核DNA由来のCOXIVも、EtBr処理によりその蛋白レベルでの発現量が、コントロールの約50%に低下した。この事から、ミトコンドリアでunfolded proteinが蓄積し、ミトコンドリア蛋白のバランスが崩れた際も、小胞体での場合と同様に、それを改善させるようなメカニズム(unfolded protein response)が存在していることが示唆され。また、この状況下で、ミトコンドリアのATP依存性プロテアーゼLonの発現が誘導されることが判明した。これらのことから、Lonが、小胞体ストレス及びミトコンドリアストレスのいずれの場合から起こるミトコンドリア障害についても、それを改善するために機能していることが示唆された。 2)Lonノックアウトマウスの解析 作製したLonノックアウトマウスについての機能解析をおこなった。Lonホモ(-/-)胎児は、E9.5以降では、全く生存せず、E7.5では、著しい成長障害(特に中胚葉の発達障害)を認めた。形態学的な検討より、E7.5のLonホモ(-/-)に、活性酸素の産生と細胞死を認めた。また、Lonホモ(-/-)では、野生型(+/+)に比べて、ミトコンドリアDNA量が減少していた。これらのことは、Lonホモ(-/-)において、ミトコンドリアDNAの複製又は安定性が変化し、ミトコンドリア機能異常が引き起こされている可能性を示唆している。
|
Research Products
(4 results)