2003 Fiscal Year Annual Research Report
オーファングルタミン酸受容体δ2に結合する新規PDZタンパク質の分子機能解析
Project/Area Number |
14580747
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
川本 進 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80125921)
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Keywords | グルタミン酸受容体 / δ2 / イオン チャネル / 足場タンパク質 / スキャフォールディング / 小脳 / プルキンエ細胞 / アフィニテイーカラム |
Research Abstract |
タンパク質として筆者ら自身がクローニングした神経シナプス足場タンパク質Delphilin(Journal of Neuroscience 22(3):803-814,2002)のFormin-Homology(FH)1ドメインを介するシグナル伝達経路を解析し、GluRδ2とDelphilinの相互作用が関与する情報伝達系の詳細を解明するため、DelphilinのFH1ドメインを介して、Delphilinと結合する分子の同定を行いつつある。DelphilinのFH1ドメインはProline-richな65アミノ酸残基から構成されており、これまでにActin結合タンパク質Profilinやプロテインチロシンキナーゼn-SrcのSH3ドメインとが結合することがin vitroの実験系において示されている。しかし、これら以外にもDelphilinのFH1ドメインと結合する分子の存在が充分考えられる。そのため、Delphilin-FH1ドメインと結合する分子を更にスクリーニングし、FH1ドメインを介するシグナル伝達経路の解明の鍵となる分子の同定を目指した。FH1ドメインのC末端29アミノ酸残基を模した合成ペプチドを作製し、それをHitrap NHS-activated HP (Amersham Bioscience)に固定化し、FH1と相互作用する分子をスクリーニングするためのアフィニティーカラムとした。ネガティブコントロールとしてactivated NHSをblockしたカラムを用いた。Delphilinは小脳プルキンエ細胞後シナプス肥厚部に特異的に発現している分子であり、このカラムにApplyするサンプルとして、マウスの小脳よりSynaptosomal fractionを分画精製し、界面活性剤を含むbufferで可溶化して用いた。カラムに吸着し、塩濃度をあげて溶出したサンプルをSDS-PAGEにかけ、タンパク質を銀染色した。その結果、分子量75KD付近と50KD付近に、ネガティブコントロールには見られない有意なバンド2本を検出して『GluRδ2→Delphilin→』と続くシグナル伝達下流候補分子を得て更に同定、解析しつつある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Susumu Kawamoto: "Glutamate receptor δ2-mediated signal transduction through Delphilin : analysis by Biacore and a yeast two-hybrid system"Biacore Journal. 3. 12-14 (2003)
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[Publications] 川本 進: "ゲノミクス・ブロテオミクスの新展開〜生物情報の解析と応用〜"エヌ・テイ・エス(印刷中). (2004)