2003 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス抑制蛋白サバイビンの脳神経細胞生存維持における役割
Project/Area Number |
14580750
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
大澤 郁朗 日本医科大学, 老人病研究所, 講師 (30343586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 定光 日本医科大学, 老人病研究所, 助教授 (70167914)
太田 成男 日本医科大学, 大学院・医学研究所, 教授 (00125832)
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Keywords | 中枢神経系 / 神経細胞生存維持 / サバイビン / アポトーシス / トランスジェニック・マウス / 免疫染色 / グリオーマ / 予後診断 |
Research Abstract |
中枢神経系における神経細胞の生存維持機構については、未だ解明されていない点が多い。発生過程では大量の神経細胞死が起こり、その後は成熟した神経細胞が長期生存維持される。この成熟神経細胞も、神経変性疾患や神経毒によって細胞死に至る。従って、神経細胞生存維持にはアポトーシス抑制機構を含む強力な細胞死抑制機構が存在する。そこで、本研究ではサバイビンの神経細胞生存維持における役割を初代神経細胞含む培養細胞を用いた解析と組換えマウスの育種とを中心に明らかする。サバイビンは、IAP(inhibitor of apoptosis protein)ファミリーに属するアポトーシス抑制蛋白である。我々は、サバイビンが分化した神経細胞で強く発現していることをマウスの初代培養神経細胞と大脳皮質組織片の免疫染色によって見いだした。初代培養神経細胞を抗サバイビン抗体で染色したところ、神経細胞では、ほとんど全ての細胞の核でその染色が認められた。一方、神経幹細胞では、細胞質分裂時の収縮環両側でのサバイビンの蓄積が認められたが、ほとんどの細胞は陰性であった。また、アストロサイトは一部が陽性であった。さらに胎生16日令の大脳皮質を抗サバイピン抗体で免疫染色した。その結果、MAP2陽性の神経細胞核がサバイビン陽性となり、サバイビンが成熟神経細胞の生存維持に重要な役割を担っている可能性を強く示唆された。一方、サバイビンは、多くの腫瘍で高発現することが知られている。そこで、抗サバイビン抗体でグリオーマ患者の脳切片を染色したところ、その悪性度に応じて染色性が増加した。染色性は予後と高い相関を示したことから、グリオーマの診断に有益であることを示すことができた。さらにサバイビンをELISAで検出可能なシステムを作製し、尿を検査することで膀胱癌を診断できることを見いだし、他の腫瘍にも応用できることを示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Harada, H.: "Down-regulation of a novel gene, DRLM, in human liver malignancy from 4q22 that encodes a NAP-like protein."Gene. 296・1-2. 171-177 (2002)
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[Publications] Asoh, S.: "Protection against ischemic brain injury by protein therapeutics."Proc.Nat.Acad.Sci.USA.. 99・26. 17107-17112 (2002)
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[Publications] Ohsawa, I.: "Deficiency in a mitochondrial aldehyde dehydrogenase increases vulnerability to oxidative stress in PC12 cells."J.Neuchem.. 84・5. 1110-1117 (2003)
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[Publications] Ohsawa, I.: "Genetic deficiency of a mitochondrial aldehyde dehydrogenase increases serum lipid peroxides in community-dwelling females"J.Hum.Genet.. 48・8. 404-409 (2003)
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[Publications] Aokage, T.: "Green fluorescent protein causes mitochondria to aggregate in the presence of the Bcl-2 family proteins"Biochem.Biophy.Res.Commun.. 314・3. 711-716 (2004)