2002 Fiscal Year Annual Research Report
線条体神経細胞におけるドーパミン抑制性入力とグルタミン酸興奮性入力の統合分子機構
Project/Area Number |
14580754
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
西 昭徳 久留米大学, 医学部, 講師 (50228144)
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Keywords | 線条体 / ドーパミン / グルタミン酸 / 細胞内情報伝達系 / DARPP-32 / リン酸化 |
Research Abstract |
運動の高位中枢である線条体の機能は、大脳皮質と視床からのグルタミン酸を神経伝達物質とする興奮性入力と黒質からのドーパミンを神経伝達物質とする抑制性入力のバランスにより調節されている。線条体には、ドーパミン作用の効率的発現に必須のリン酸化蛋白であるDARPP-32が選択的に発現している。ドーパミンD1受容体/DARPP-32情報伝達系がグルタミン酸刺激によりどのように修飾を受けるのか、ドーパミンとグルタミン酸の相互作用を検討している。 (1)イオンチャンネル連結型グルタミン酸受容体(NMDA受容体、AMPA受容体)によるDARPP-32リン酸化調節機構とドーパミンとの相互作用の解析. NMDA/AMPA受容体刺激は、細胞内へのCa^<2+>流入によりカルシニューリンを活性化しDARPP-32/Thr34残基の脱リン酸化を促進する。また、NMDA/AMPA受容体刺激は、DARPP-32/Thr75残基のリン酸化レベルを低下させる。Thr75残基のリン酸化レベルの低下は、Cdk5活性の抑制によるものではなく、PP-2Aによる脱リン酸化の促進によることを明らかにした。 (2)代謝型グルタミン酸受容体によるDARPP-32リン酸化調節機構とドーパミンとの相互作用の解析. 代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)の非選択的アゴニストであるtrans-ACPD、グループI mGluRアゴニストであるDHPGは、Thr34残基のリン酸化を促進した。mGluRアンタゴニストを用いた解析の結果、mGluR5活性化によりThr34残基リン酸化が促進されていた。mGluR5作用メカニズムの検討で、mGluR5はアデノシンA_<2A>受容体のcAMP産生能を活性化し、DARPP-32/Thnr34残基リン酸化を促進することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Matsuyama S: "Neurotensin regulates DARP-32 Thr34 phosphorylation in neostriatal neurons by activation of dopamine D1-type receptors"J. Neurochem.. 81. 325-334 (2002)
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[Publications] Nishi A: "Regulation of DARPP-32 dephosphorylation at PKA-and Cdk5-sites by NMDA and AMPA receptors : distinct roles of calcineurin and protein phosphatase-2A"J. Neurochem.. 81. 832-841 (2002)
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[Publications] Nishi A: "Metabotropic mGlu5 receptors regulate adenosine A_<2A> receptor signaling"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 100. 1322-1327 (2003)