2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経成長円錐の接着伸展の分子機構:インテグリンとエクソサイトシスの役割
Project/Area Number |
14580769
|
Research Institution | nagoya university |
Principal Investigator |
辰巳 仁史 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20171720)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我部 正博 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10093428)
|
Keywords | 神経成長円錐 / 接着形成 / エクソサイトシス / インテグリン / 蛍光ラベル / 近接場光 / 細胞内輸送 |
Research Abstract |
平成15年度科学研究費補助金(基盤研究(C)(2))では以下の研究を行った。 インテグリンは神経成長円錐部に集積して接着形成を起こす代表的な分子である。このインテグリン分子の細胞内輸送や細胞表面での動態は、これまで直接的に可視化するよい方法がなかったために不明のままである。本研究では、インテグリン分子を蛍光抗体で標識して近接場光で観察した。これによって、インテグリンが成長円錐部に運ばれていく輸送のメカニズムや、成長円錐の突起部への集合し,さらに膜表面の特定の場所に集合して接着形成を行う分子過程を近接場光照明で直接的に観察し分析した。また、エクソサイトシスの標識色素であるFM4-64を同時に細胞に導入して、エクソサイトシスによるインテグリン分子の細胞表面への移動があるかどうかを検討した。そこからエクソサイトシスとインテグリンの膜への移動には強い関連がある証拠を得た。本研究では、ベシクル内のpHプローブGFPを併用して、細胞接着分子がエクソサイトシスによる伝達物質の放出と同時に、細胞表面にあらわれて神経成長円錐部の接着形成を実現するかどうか検討し、まさにそれが起きている事を確認することができた。本研究の成果を一言でいえば、蛍光ラベルされたインテグリンを細胞内で生きた状態"で観察し、神経成長円錐の接着(足場形成)がエクソサイトシスによるインテグリン分子の膜移行で実現されることを検証したことである。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Hoshino M, Tatsumi H, Sokabe M: "In vitro reconstitution of signal transmission from a hair cell to the growth cone of a chick vestibular ganglion cell"Neuroscience. 120. 993-1003 (2003)
-
[Publications] 曾我部正博, 河上敬介, 早川公英, 成瀬恵治, 辰巳仁史: "内皮細胞の伸展依存性リモデリング-分子から形へのインターフェースを見る。"血管医学. 4巻. 237-244 (2003)
-
[Publications] 辰巳仁史: "近接場光を用いたバイオイメージング"分光研究. 52巻. 219-224 (2003)