2002 Fiscal Year Annual Research Report
オリゴデンドロサイト前駆細胞の移動様式とその制御機構:ニューロン前駆細胞の移動制御機構との共通原理を求めて
Project/Area Number |
14580770
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
小野 勝彦 島根医科大学, 医学部, 助教授 (30152523)
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Keywords | オリゴエンドロサイト / 細胞移動 / ネトリン / 脊髄 / 底板 / 背腹軸 / in situ hybridization / Olig-1 |
Research Abstract |
ネトリンは、発生途上の脊髄底板より軸索誘導分子として見い出されものである。ネトリン受容体Unc5hを発現するニューロンや視神経のオリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)は、視交叉で発現するネトリンに反発するように移動することが報告されている。脊髄においてOPCは、ネトリンを発現している底板に近接する領域で誘導され、増殖しながら脊髄全体に向かって拡がる。この位置関係は、脊髄においてもOPCがネトリンに反発して拡がる可能性を示唆している。本研究では、ネトリン欠損マウス(KO)の中枢神経系におけるオリゴデンドロサイト(OL)の発生様式を調べ、ネトリンのOL発生における作用と神経細胞移動との共通原理を明らかにすることを目的として行なった。OPCは、この細胞系譜に特異的な転写因子であるOlig-1およびOlig-2遺伝子に対するin situ hybridizationにより検出した。ネトリンKOマウスはTessier-Lavigne博士(UCSF)より譲渡を受けた。胎齢10.5〜15.5(E10.5〜15.5)のマウスを、母体の深麻酔下に子宮から取り出し、固定後、クリオスタットにより切片を作製し、組織化学的染色を行なった。OPCの出現時期や、分布の経時的変化には、KOマウスとヘテロ/野生型とで大きな差違は認められていない(詳細な検討は今後行なう)。一方で、OPCの出現する脳室層内での領域が、E12.5以降のKOマウスでは、腹側方向にシフトしていることが見い出された。これと平行して、OPC出現領域の背側で出現するPax6の発現する領域も腹側方向に広がっていた。この結果は、ネトリンが軸索誘導のみならず、OPCの分化や背腹軸の形成過程にも何らかの作用があることを強く示唆している。今後は、このKOマウスにおけるOPCの発生とあわせて背腹軸形成も調べる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yamamoto S et al.: "Mice defecient in nervous system-specific carbohydrate epitopeHNX-1 exhibit impaired synpatic plasticity and spacial learning"Journal of Biological Chemistry. 277. 27227-27231 (2002)
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[Publications] 小野勝彦: "オリゴデンロサイト前駆細胞の移動とその制御機構"実験医学増刊号「脳・神経研究のフロンティア」. 20・5. 744-749 (2002)