2003 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚伝導路でのGABA作動性神経の聴覚情報処理における機能的意義
Project/Area Number |
14580788
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古谷野 好 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50183041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳川 右千夫 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (90202366)
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Keywords | 下丘 / 聴覚 / 発火様式 / GABA作動性神経 |
Research Abstract |
GABA作動性神経による抑制回路システムの生理学的役割をより詳細にしかも体系的に論ずるためには、GABA作動性神経によって構成される神経回路を明らかにすること、また、常にGABA作動性神経を他の神経と区別して電気生理学的実験を行う必要がある。通常の動物のスライス標本ではGABA作動性神経を生きた状態で識別することは不可能であった。これを打開するために,柳川らが開発したGABA作動性神経を特異的にGFPで標識したノックインマウス(GAD67-GFP mouse)を研究に導入した。本研究は大脳皮質聴覚野を含む聴覚路での、局所あるいは核間のGABA作動性の抑制性神経回路とその生理機能を明らかにする事を目的とし、下丘のGABA作動性神経からの電気的な応答を記録するとから始めた。その結果、下丘のGABA作動性神経には、1)脱分極通電刺激に対して、制止膜電位から持続的に発火を示す神経細胞群と、2)脱分極刺激に対して刺激直後に一過性の発火を示すものの2群を区別できることを明らかにした。1)には通電刺激の開始する直前の膜電位を変化させると、発火様式がかわるもの、2)には低閾値Caスパイクを認めるものなどが含まれている。1)と2)では、樹状突起の発達の方向性に関して異なる傾向があり、興奮性の差異と共に、その生理学的機能に差があることが強く推察された(第80回日本生理学会年会、第26回近世生理学談話会発表)。また、2)が多く認められる、下丘外側皮質には、大脳皮質聴覚野からの投射を受けることも明らかにした(発表予定)。
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Research Products
(1 results)