2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本で分離されたLCMウイルスの知見を基にした組換え抗原の検定と診断法への応用
Project/Area Number |
14580800
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大沢 一貴 長崎大学, 医学部, 助手 (90244756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 宇史 長崎大学, 医学部, 教授 (00158908)
片峰 茂 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40161062)
佐藤 浩 長崎大学, 医学部, 教授 (50072947)
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Keywords | LCMV / リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス / 診断用組換え抗原 |
Research Abstract |
国内でもある港湾地区のマウスからリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)が分離され(OQ株)、プロトタイプであるWE株と遺伝子レベルでの比較検討がS遺伝子領域について行われてきた。OQ28株の塩基配列は、他の国内分離OQ株とは99%以上一致し、WE株と国内分離株とは大別されることが明らかとなった。そこで、日本国内においてLCMウイルスに感染したか否かを高感度、かつ特異的に診断するためには、国内分離株を用いた診断用抗原の作製の必要性が不可欠であると考え、国内分離株OQ28株を用いてタンパク発現を目指することとした。 1.発現用ベクター(pDsRed)に置換し、COS7細胞にトランスフォームした。OQ株のGp-2、Np-full、Np-Nend、Np-center Np-Cendが発現ベクターに置換された。トランスフオームの結果、Np-full、Np-Nend、Np-centerで赤色の蛍光を発する細胞を得た。ただし、診断に耐えるだけの抗原量が得られるか疑問が残った。 2.Np領域は、糖鎖で修飾されないので、大腸菌で発現させても抗原性を発揮する可能性が高いと考えられる。しかしながら、Npの名前の由来のとおり核酸に結合する性質が強く、大腸菌にとって毒性のあるタンパクであれば発現不可能であろうという懸念があった。そこで、細胞そのものではなく菌体成分のみを用いる発現を試みることにした。発現用ベクター(pIVEX2.3、pIVEX2.4b)に置換し、そのシ-ケンスを行って、OQ28株のNp-full、Np-Cendの領域が両ベクターに導入されていることを確認した。 この間、大腸菌および哺乳類細胞における発現ベクターの構築を、おもにLCMV国内分離株を用いて行い、興味深い成果を得た。現在、多数の検体を用いた抗原の有用性の検討を加えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ohsawa: "Detection of a Unique Genotype of Monkey B Virus (Cereopithecine herpesvirus 1) Indigenous to Native Japanese Macaques (Macaca fuscata)"Comparative Medicine. 52・6. 559-563 (2002)
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[Publications] Tamura: "Allogeneic Cell Stimulation Enhances Cytomegalovirus Replication in the Early Period of Primary Infection in an Experimental Rat Model"The Journal of Heart and Lung Transplantation. 22(In press). (2003)
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[Publications] Ohsawa: "Sequence and Genetic Arrangement of the UL Region of the Monkey B Virus (Cercopithecine herpesvirus 1) Genome and Comparison with the UL Region of Other Primate Herpesviruses"Archives of Virology. 148・4(In press). (2003)
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[Publications] Ohsawa: "Genetic Analysis of a Theiler-Like Virus Isolated from Rats"Comparative Medicine. 53・2(In press). (2003)
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[Publications] 佐藤 浩, 他 監訳: "実験動物の管理と使用に関する労働安全衛生指針"アドスリー. 170 (2002)