2004 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチのin vivoヒト滑膜炎モデルの確立と滑膜炎抑制性T細胞の解析
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14580802
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
山田 秀裕 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (00174730)
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Keywords | 関節リウマチ / 疾患モデル / 抑制性T細胞 / パンヌス |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)患者由来滑膜組織浸潤細胞を用いて、in vitroでパンヌス様炎症組織を再構成する培養系と、滑膜浸潤細胞をSCID bg.マウス関節内に移入してパンヌス形成や関節破壊を高率に惹起する実験系を独自に開発した。このin vitroおよびin vivoヒト細胞モデルを用いて、パンヌス形成におけるT細胞の役割と、このモデルを応用した新しいRAの治療戦略の確立を目指した。酵素処理せずに分離したRA由来滑膜組織浸潤細胞は、線維芽細胞様滑膜細胞、マクロファージ、樹状細胞、血管内皮細胞、T細胞、B細胞などから成る。過去2年間の研究で、滑膜浸潤T細胞の中にin vitroでのパンヌス形成や炎症性サイトカイン産生、およびSCID bg.マウス関節内でのパンヌス形成や関節破壊を制御するT細胞が存在することが示唆された。さらに、CD4,CD8,CD25,CD45RO-mAbを用いて各亜分画を除去して、再構成実験を行った結果、in vitroパンヌス様組織形成およびTNF-a産生の増強作用はCD25陽性T細胞を除去した場合のみ認められた。一方、抗CD4,CD8抗体を培養系に添加しても滑膜増殖やサイトカイン産生に影響はなかった。また、CD25陽性細胞除去により滑膜由来T細胞によるIL-10産生は有意に低下した。以上から、CD25陽性T細胞はIL-10を介してRA滑膜炎におけるパンヌス形成の制御機構の一翼を担っていることが示唆された。今年度はこの点をさらに検証するため、滑膜浸潤細胞をSCID bg.マウス関節内に移入してパンヌス形成や関節破壊を惹起する実験系を用いた。このモデルの作成には、単一ドナーから数千万個の滑膜浸潤細胞を採取する必要があり、この中から数百万個のCD25陽性T細胞を分離精製することが必要である。過去2年間にようやく一人のドナーから充分量の細胞を採取でき、SCID.bgマウスへの移入実験ができた。CD25陽性T細胞を除去した滑膜細胞を移入したマウス4匹全例にパンヌス形成と関節破壊像がみられたが、分離精製したCD25陽性T細胞を追加投与したマウスでは4匹中1匹にパンヌス形成が見られたのみであった。各細胞をin vitroで増殖させる試みは成功しなかった。
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Research Products
(1 results)