2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞溶解毒素インターメディリシンの膜結合部位を用いた細胞膜機能の改変技術
Project/Area Number |
14580822
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長宗 秀明 徳島大学, 工学部, 助教授 (40189163)
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Keywords | 細胞膜結合モジュール / インターメディリシン / 細胞ターゲティング / 細胞膜機能改変 |
Research Abstract |
これまでの結果として、インターメディリシン(ILY)活性に競合阻害性を示すILYの細胞膜結合ドメイン4(ILY4D)の部分構造ペプチド(9-15mer)についてヒト細胞膜との結合性を検討したところ、短鎖部分構造だけでは細胞膜に十分な親和性を示さず細胞膜結合モジュールとしての利用は不適であること、またILYのヒト細胞特異的結合部位であるILY4D後半56アミノ酸残基部分もそれだけでも立体構造に異常が生じて十分な親和性が得られないことが判明した。そこで本年度は、ILY分子内のドメイン2及び3の空間的に近接したアミノ酸各一残基をCysに置換して強制的にSS結合を形成させてILYの毒素活性を導く立体構造変化が起きなくし、昨年度開発したILY4Dの部分組換え体と同様に無毒性になると想定されるILY全長組換え体(ILY-SS)を細胞膜結合モジュールとして作成を試みた。その結果、細胞膜へはILY同様に高親和性で結合するものの、ヒト血漿中などの通常の体内条件では全く細胞毒性を示さない事、及びその分子N末端に導入したもう一残基のCys残基をアンカー部位として他の分子と連結させて細胞膜に様々な物質を安定的に固定できることが確認された。従ってこのILY-SS分子はILY4Dと同様に活性化リンパ球やマクロファージを用いた癌のミサイル免疫療法に応用可能と考えられた。またこれらILY4DやILY-SSのN末端側に望む蛋白質を融合タンパク質として発現できるベクターシステムも開発した。今後これらのモジュールシステムを用いて、さらに動物実験系で癌の細胞ミサイル免疫療法や遺伝子治療用DDSを開発していく予定である。
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Research Products
(5 results)