2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組み換えFGFの応用による培養皮膚代替物の性能および製造条件の向上
Project/Area Number |
14580828
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
黒柳 能光 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80170140)
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Keywords | 線維芽細胞成長因子 / 血管内皮成長因子 / 線維芽細胞 / 培養真皮 / ヒアルロン酸 / コラーゲン |
Research Abstract |
ヒト線維芽細胞をヒアルロン酸とアテロコラーゲンからなる2層構造のスポンジに組み込んだ同種培養真皮を製造し、熱傷や難治性皮膚潰瘍の治療に適用したところ顕著な創傷治癒促進効果が確認された。今後、大量製造する場合に、線維芽細胞を大量培養する必要がある。そこで、aFGFを添加した培養系で従来よりも大量の線維芽細胞が得られれば産業化において重要なメリットとなる。培養フラスコ内において、培養液に適量のaFGFを添加することにより線維芽細胞の増殖が確認できた。aFGFを添加した培養系で増殖した線維芽細胞を回収して、通常の培養液で再度培養したところ、線維芽細胞の増殖は正常にもどった。また、線維芽細胞の機能を調べる目的で、血管内皮成長因子(VEGF)の産生能力をELISA法により定量的に調べたところ、aFGFを添加した培養系では、細胞数の増加に伴うVEGF産生量の増加が観察されたが、細胞数あたりのVEGF産生量は、変化していなかった。aFGFを添加した培養系で増殖した線維芽細胞を回収して、通常の培養液で再度培養した際には、VEGFの産生量は、正常な値を示した。この実験から、aFGFの添加により線維芽細胞の増殖速度を高めることが可能であり、その効果は一過性のものであり、細胞自身のVEGF産生能力の異常をきたす危険性はないことが確認できた。臨床応用においては、安全性を保証することが最重要課題であり、ある種の生理活性物質の添加により、線維芽細胞の増殖速度を高めることが可能であっても、副作用として、本来の性能を失っては意味がない。現在までの実験結果では、培養系において。aFGFの添加は、線維芽細胞の大量培養に有効であり、副作用はないことが確認できた。次年度は、スポンジに線維芽細胞を播種して同種培養真皮を製造する際に、培養液にaFGFを添加することにより、スポンジ内での線維芽細胞数の増殖とVEGFの産生量について定量的に解析する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Kubo, Y.Kuroyanagi: "Spongy matrix of hyaluronic acid and collagen for cultured dermal substitute"J.Artif.Organs. (in press). (2003)
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[Publications] K.Kubo, Y.Kuroyanagi: "Characterization of cultured dermal substitute composed of spongy matrix of hyaluronic acid and collagen combined with fibroblasts"J.Artif.Organs. (in press). (2003)
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[Publications] 黒柳能光, 久保健太郎 ほか: "同種培養真皮の製造と供給システム"熱傷(日本熱傷学会誌). 29. 28-38 (2003)
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[Publications] 黒柳 能光: "わかりやすいゲノム再生医療の基礎・現状・展望[分担]"Medicina医学書院. 560 (2002)