2003 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学による経時的にリモデリングして血管壁が再構築する人工血管と組織再生の過程
Project/Area Number |
14580833
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00159047)
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Keywords | リモデリング / 血管壁再構築 / 人工血管 / 血管新生 / 再生医療 / 医工学 / 三層構造 / 生体血管 |
Research Abstract |
現在臨床で使用されている人工血管は遠隔期になっても内皮細胞で内面が被覆されることがほとんどない。これは生体内、特に人工の血管上では治癒不全の悪循環が存在し、血栓の上に内皮細胞が安定して定着できないためである。本研究では組織工学の技術、特に『細胞、細胞外マトリックス、サイトカイン』の組み合わせを至適にすることにより治癒が速やかに進行する条件を血管新生の観察により求めた。細胞外マトリックスは細胞親和性が良好になる性状および形態を求め、その結果、繊維状アテロコラーゲンの足場を用いた。増殖因子としてリコンビナントbFGFを局所1回使用とした。動物実験には家兎の慢性観察窓Rabbit ear chamberを用いた。観察は週1回行った。血管新生の過程を観察したところ、条件が整えば100μm/日の速さで伸展した。これが現在のところ最高の組み合わせで、増殖因子を増量しても、足場を変更してもこれ以上の血管新生速度は得られなかった。新生した血管は時間の経過と共に、そのままの壁の性状を保つものと、pericyteが周囲に付着し、厚さを増し動脈化するものが存在した。血管が経時的にリモデリングするのを観察した。人工血管が内皮細胞で被覆されないのは、吻合部から伸展する内皮細胞の分裂回数が制限されているためで、新生血管を人工血管間隙を通って内腔面に誘導することが可能になれば解決する。この組織再構築の至適条件は人工血管上の治癒不全の治療に応用可能であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 冨澤康子, 他: "コラーゲン製止血材の生体顕微鏡による評価;組織親和性及び吸収性"日本心臓血管外科学会雑誌. 32. 17-22 (2003)
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[Publications] 鈴木豊, 冨澤康子, 他: "血管新生過程の観察、-NDフィルターの利用による観察域の拡大"呼吸と循環. 51. 507-510 (2003)
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[Publications] 冨澤康子, 他: "左室瘤の外科治療後の遠隔成績"胸部外科. 56. 528-531 (2003)
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[Publications] 冨澤康子, 他: "再冠状動脈再建術-on-pumpとoff-pumpの比較・検討"胸部外科. 56. 221-226 (2003)