2003 Fiscal Year Annual Research Report
動脈瘤の血管内治療用器具としてのステントの最適設計に関する研究
Project/Area Number |
14580838
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
板東 潔 関西大学, 工学部, 教授 (70156545)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田地川 勉 関西大学, 工学部, 助手 (80351500)
桜井 篤 関西大学, 工学部, 専任講師 (50162334)
大場 謙吉 関西大学, 工学部, 教授 (30029186)
|
Keywords | ステント / 動脈瘤 / 血管病変 / 数値流体力学 / 血流 / コンピュータ・シミュレーション / 有限要素法 / 連成解析 |
Research Abstract |
動脈瘤の治療のために用いられるステントの流体力学的最適設計を目的として,嚢状動脈瘤モデルに対する三次元の数値シミュレーションを行った。ステントを動脈瘤の首部に挿入すると瘤内に血栓が生じ,動脈瘤の成長と破裂を防止することが可能となるが,空隙率の過小なステントは瘤内血流の停滞効果は大であるが,構造的剛性が強くなりすぎるなど瘤部以外の血管に副作用をもたらす。そこで瘤内拍動流に対する数値シミュレーションの結果を用いて,最適な空隙率(最大空隙率)を決定する方法を提案した。評価基準は瘤内壁におけるひずみ速度であり,この値より血栓の生成が判定可能である。そこで,ステント内挿を模擬した数値シミュレーションの結果より本方法の有効性を確認した。さらに,ステント内挿の有効性を実際に調べるためには,ステント部および瘤内の流れを実測することが必要となる。我々は半導体製造技術を用いた化学エッチングによる微細加工技術を用いて,外径100μmのカテーテル型LDVセンサーを開発しているが,このセンサーを用いるとステント線近傍および瘤内の血流速度の高精度測定が可能となる。しかし,センサーの存在自体が流れ場にじょう乱を与え,測定速度に誤差をもたらすため,このじょう乱の影響を調べておく必要がある。そこで,LDVセンサー回りの流れの数値シミュレーションを行うことにより,前述の誤差に対する評価を行った。その結果,センサー先端前方のセンサー軸上には,じょう乱の影響が最小となる最適計測点が存在すること,焦点距離(センサー先端測定位置)が200μmの場合の最適挿入角は0゜であること,および測定位置が壁面に近づくと測定速度は実際の速度より小さく測定される傾向があること等を明らか年した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] K.Bando: "Research on Fluid-dynamic Design Criterion of Stent Used for Treatment of Aneurysm by means of Computational Simulation"Computational Fluid Dynamics Journal. 11-4. 527-531 (2003)
-
[Publications] K.Bando: "Numerical Simulation of Flow in a Collapsible Tube with Local Large Deformation due to Cross-sectional Buckling (A Coronary Artery Spasm Model)"Technology Reports of Kansai University. 46号(印刷中). (2004)
-
[Publications] K.Bando: "Numerical Simulation of Flow around LDV-Sensor for Measuring Blood Flow Velocities"Proceedings of First Asian Pacific Conference on Biomechanics. (印刷中). (2004)