2002 Fiscal Year Annual Research Report
in silico study を目指した心臓電気現象の包括的シミュレータの開発
Project/Area Number |
14580843
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
中沢 一雄 国立循環器病センター研究所, 研究機器管理室, 室長 (50198058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 隆徳 杏林大学, 附属病院・第2内科, 講師 (80256734)
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Keywords | 致死性不整脈 / コンピュータシミュレーション / R-on-T / Luo-Rudyモデル / バイドメインモデル |
Research Abstract |
心室細動の電気的除細動メカニズムに関する研究として、Luo-Rudy2次元バイドメイン仮想心室筋モデルの開発を行い、心室筋の心尖部領域が持つ独特の渦巻状心筋線維構造が電気ショック後興奮波の発生に重要な役割を果たしていることを示した。さらに、心電図においてT波上に期外収縮がおきるR-on-Tと電極カテーテルによる刺激によって発生するpacing-on-Tとの受攻性の違いを同モデルを用いて調べ、pacing-on-Tの方が早い時相に広い受攻期を有していることを導いた。結果として、その差はvirtual elctrodeの有無によるものと推察された。 一方、より細密なシミュレーションを行うために、心臓の形状およびその動きについてデジタルデータの取得を目指した。心臓モデルの形状には、これまでCG用の心臓形状ポリゴンデータを使用してきた。しかし、患者個々の致死性不整脈の発生をより正確に予測するには、患者の心臓形状等の特徴をモデルに反映する必要がある。そこで、一心拍周期分の心臓形状の空間的・時間的変化をMRI画像から手動により抽出し、再構成した。使用したMRI短軸断層画像は心室心尖部から心房上部まで24断面_17時相分であり、True FISPの撮影シーケンスを用いた。心筋境界を抽出するために、各画像上で心房・心室・血管の内側・外側境界線上に点列を配置する2次元エディタを開発した。また、上下の断面間で点列どうしをリンクさせる3次元エディタを開発し、心臓形状ポリゴンデータを構成した。再構成した形状を整形・後利用するために各種の処理を行った。今回、手動抽出により4次元の心臓形状データを再構成したことによって、自動抽出を行う際の問題点が明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 八尾武憲, 池田隆徳, 中沢一雄ほか: "R-on-TとPacing-on-Tでは心室受攻期が異なる:コンピュータシミュレーションによる研究"不整脈. Vol.18,No.4. 496-503 (2002)
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[Publications] A.Kawase, T.Ikeda, K.Nakazawa et al.: "Widening of Excitable Gap and Enlargement of the Core of Reentry During Atrial Fibrillation with a Pure Sodium Channel in Canine Atria"Circulation. Vol.107,No.6. 905-910 (2003)
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[Publications] 鈴木亨, 中沢一雄ほか: "MRI画像からの心臓形状の4D抽出"電子情報通信学会技術研究報告. Vol.102 No.387. 5-8 (2002)
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[Publications] 中沢一雄, 鈴木亨: "スーパーコンピュータによる不整脈現象の数値シミュレーション"現代医療. 第35巻,第3号. 110-116 (2003)
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[Publications] T.Ashihara, T.Ikeda, K.Nakazawa, et al.: "Vortex Cordis as a Mechanism of Postshock Activation : Arrhythmia Induction Study using a Bidomain Model"Journal of Cardiovascular Electrophysiology. Vol.14,No.3(in press). (2003)