2003 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害にみられる逸脱行動に関する臨床的研究
Project/Area Number |
14591004
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小林 隆児 東海大学, 健康科学部, 教授 (60122694)
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Keywords | 自閉症 / 広汎性発達傷害 / 逸脱行動 / 行動障害 / コミュニケーション / アンビバレンス / 接近・回避動因的葛藤 |
Research Abstract |
広汎性発達障害(PDD)にみられる多彩な逸脱行動(あるいは行動障害)と称されるものがどのようにもたらされるのか、その成因にまで踏み込みながら検討し、その結果をもとに彼らに対する治療(あるいは援助)のあり方につしても検討した。本テーマの検討にあたり筆者が理論的基盤としたのは関係発達臨床と称する視点である。従来の医学あるいは発達の発想の起点にあった個体能力障害あるいは個体能力発達に代わり、関係そのものを起点にした障害観あるいは発達観をもとに、行動上の問題をとらえ直していこうとする読みである。 第1には、行動あるいはその間題を関係性(コミュニケーション)の中でとらえ直すことによって、成因にまで踏み込みながら逸脱行動の成り立ちについて再検討を試みた。第2には、逸脱行動という臨床問題に対する関係発達支援のあり方の基本的考え方について論じた。 最後に、このような逸脱行動という行動面の問題に幻惑されることなく、PDDの人々の背後にどのような心性が存在するのか、その精神病理学的検討を発達的観点から検討した。そこで得られた知見が従来統合失調症の基礎障害として取り上げられてきた『自明性の喪失』の問題に対してどのような発達論的意義をもつかを論じることによって、逸脱行動のみならず、PDDの基本的精神病理に迫ることによって治療予防的戦略の可能性を追求した。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 小林 隆児: "「受容する」ことについて考える"実践障害児教育. 30(8). 50-53 (2003)
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[Publications] 小林 隆児: "子どもの主体性をはぐくむ"実践障害児教育. 30(9). 50-53 (2003)
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[Publications] 小林 隆児: "自閉症に対する関係発達支援の基本"精神科治療学. 18(7). 847-851 (2003)
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[Publications] 小林 隆児: "関係発達臨床からみた自閉症とことば"そだちの科学. 1(1). 34-41 (2003)
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[Publications] 小林 隆児ら: "育てにくい乳幼児に対する早期介入について"東海大学健康科学紀要. 8(1). 81-88 (2003)
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[Publications] 小林 隆児: "自閉症のことばの成り立ちを考える(第1部)青年期・成人期編"児童青年精神医学とその近接領域. 44(1). 16-37 (2003)
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[Publications] 小林 隆児: "自閉症のことばの成り立ちを考える(第2部)幼児期編"児童青年精神医学とその近接領域. 44(1). 38-48 (2003)
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[Publications] 小林 隆児: "広汎性発達障害にみられる「自明性の喪失」に関する発達論的検討"精神神経学雑誌. 105(8). 1045-1062 (2003)
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[Publications] 小林 隆児: "自閉症児・養育者間における動因的葛藤、愛着(甘え)、情動的コミュニケーション"精神神経学雑誌. 105(9). 1145-1150 (2003)
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[Publications] 松橋有子, 高野陽, 小林隆児ら: "精神保健"北大路書房. 23/153 (2003)
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[Publications] 藤岡淳子, 小西聖子, 田中康夫, 小林隆児ら: "少年非行-青少年の問題行動を考える-"星和書店. 21/223 (2004)
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[Publications] 小林 隆児: "自閉症とことばの成り立ち-関係発達臨床からみた原初的コミュニケーションの世界-"ミネルヴァ書房. 218 (2004)