2003 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体をバインダーとする新規修飾電極の作成と評価
Project/Area Number |
14592001
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Research Institution | Tokyo University Agriculture And Technology |
Principal Investigator |
中村 暢文 東京農工大学, 工学部, 助教授 (60313293)
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Keywords | 修飾電極 / ルテニウム錯体 / キノン / 自己組織化 / 電気化学 / 電子移動反応 / メディエーター / シトクロムP450 |
Research Abstract |
生体内の有機補酵素としてキノン類が酸化還元反応に関与していることが広く知られている。本研究では、キノン部位を持つ、人工系で電子のスムースな移動を制御できる化合物を合成し、これらの化合物を電極上に集積させ、さらにその先にタンパク質等の機能性分子を固定化することを目的とする。本年度は、新たにチオール基を持ったビピリジンを合成し、キレート効果による錯体の安定化に期待し、その単分子膜上に錯体を固定化することを試みた。電極へ固定化されたかどうか、電極表面がどのような状態であるかの評価を、この電極自身を作用極とした電気化学法によって定量的な評価を行った。また、オルトキノンの求核試薬との反応性について、キノン化合物だけの場合と、配位子として重金属に結合した場合の違いを検討するために、ルテニウム錯体を合成し、フェロセンアミンとの反応性の比較検討を行った。その結果、キノン化合物がルテニウムに配位した場合、キノン部位の反応性が高くなることが示され、キノンのみを電極上に固定化するよりも、錯形成させてから固定化させる方が有利であることが明らかとなった。また、固定化するのに適したタンパク質素材として、電極上での安定化を意識して、好酸好熱性古細菌由来のシトクロムP450の発現系の構築を行い、X線構造解析によりこのタンパク質の3次元構造を明らかにした。シトクロムP450の触媒反応において、生体内ではレドックスパートナーからの電子供与を必要とするため、電極との直接的な電子移動が実現できればより有用であると考えられる。固定化の前段階として、汎用電極を用いてCV測定を行った場合、P450stは酸化還元応答を示さなかった。しかし、DDAB二重膜中に包括されたP450stは、buffer中で明瞭な酸化還元応答を示した(E_<1/2>=-250mV vs. Ag/AgCl)。昇温してCV測定を行ったところ、この酸化還元応答は80℃まで観測された(E_<1/2>=-50mV vs. Ag/AgCl)。この酵素を用いて電極上への固定化を検討していきたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Niki: "Coupling to Lysine-13 Promotes Electron Tunneling through Carboxylate-Terminated Alkanethiol Self-Assembled Monolayers to Cytochrome c"J.Phys.Chem.B. 107. 9947-9949 (2003)
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[Publications] Y.Oku: "Structure and direct electrochemistry of cytochrome P450 from the thermoacidophilic crenarchaeon, Sulfolobus tokodaii strain 7"J.Inorg.Biochem. (In Press).