2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14593007
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田村 裕 関西大学, 工学部, 助教授 (20163694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸倉 清一 関西大学, 工学部, 教授 (40000806)
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Keywords | 酢酸菌 / バクテリアセルロース / 培養 / 延伸 / 結晶化度 / フィルム |
Research Abstract |
浅皿培養装置を改良してバクテリアセルロース(BC)をフィルム状で直接巻き取る装置を開発し、巻き取り速度等最適生成条件の検討を行った。加延伸型浅皿培養装置を用いた際の収率は静置培養より0.5〜1%程度向上させることが出来た。GlcNAc系の培地で培養した場合においても、収率はGlc単独培地に比べて低下する傾向は見られず、ほぼ同程度であった。以上の結果により、酢酸菌が好気性菌であり培地表面に対する酸素の接触量が静置培養よりも格段に増加することが影響していることが言える。さらに、延伸をかけない無延伸型浅皿培養装置では、4〜5%の収率を得ることが出来た。GlcNAc系培地においても4%を下回ることはなかった。 また、フィルムとしてGlc単独培置からBCを得る場合、植菌してから巻き上げを開始する時間を調整することで膜厚を変化させることが可能であった。24時間培養した場合はおよそ0.06mmの膜厚でフィルムが得られ、48時間培養した場合、2倍以上の0.14〜0.16mmの膜厚で得ることが可能であった。2つの浅皿培養装置で培養を行った結果、最終的には7-12日間の培養日数、使用培地300〜1000ml、巻き取り速度15mm/hで幅10cm、長さ150cm〜250cm、重量240〜800mgのBCフィルムとして得ることが出来た。加延伸型浅皿培養で表面に生成したBCゲルをフィルムとして巻き上げる際、ローラーを介して延伸されている様子が観察され、これによりフィルムおよび繊維の配向性を向上させていると考えられる。改良型は、延伸をかけないBCフィルムを得る目的で作製したが、ローラーと浅皿の高さを同じにすることで巻き上げるときにかかる物理的な力をなくすことができ、延伸させずに巻き取ることが出来る。今回その装置で巻き取ったBCフィルムは通常の浅皿培養よりもX線回折の結果と結晶化度から、延伸を押さえることが出来たと言える。
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Research Products
(1 results)