2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14593007
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田村 裕 関西大学, 工学部, 助教授 (20163694)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸倉 清一 関西大学, 工学部, 教授 (40000806)
|
Keywords | 酢酸菌 / バクテリアセルロース / 培養 / 延伸 / 結晶化度 / フィルム |
Research Abstract |
炭素源としてグリセロール、グリセルアルデヒドなどの三単糖であるグリセロール誘導体を用いて、酢酸菌による機能化BCの生合成を検討したところ、グリセロールを用いた場合収量の向上と長期間に渡る培養持続が達成できた。さらに、糖の生合成経路を明らかにする目的で2位及び1,3位に^<13>Cを有するグリセロールを用いて産生した多糖の^<13>C-NMRスペクトル測定を行った結果、グリセロール誘導体が一旦解糖された後、再びグルコースへと再構築されることが示唆された。 一方、酢酸菌を培養する培地組成を従来のグルコースを主体としたSH培地から様々に変化させた。バクトペプトンやイーストエキストラクトの代替としてアミノ酸加水分解物が効果的で、BC産生コストの削減にも有効であることが判明した。グリセロール培地は収量の向上をもたらしたが、得られる多糖は通常のBCと同等のものであった。さらに、窒素源として硝酸アンモニウムや硝酸ナトリウムのような硝酸塩についても検討した。産生された多糖中にはグルコースのみならずN-アセチルグルコサミン残基が数パーセント導入されることが判った。セルラーゼやキチナーゼを用いた酵素加水分解実験および粘度法による分子量測定の結果、得られた多糖においてN-アセチルグルコサミン残基はその主鎖骨格中ではなく側鎖に存在する可能性が高いことが判った。 これまで培養実験に用いた酢酸菌以外の菌体についてもそのBC産生能をスクリーニングしたが、従来以上の収量を示す菌体は得られなかった。
|
Research Products
(2 results)