2003 Fiscal Year Annual Research Report
「ニューエコノミー」の比較ジェンダー分析-高齢社会のサービス化と情報化
Project/Area Number |
14594018
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
田中 かず子 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (60217015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 真規子 法政大学, 経済学部, 助教授 (50302782)
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Keywords | 国際研究者交流 / イギリス:アメリカ / 介護労働 / ジェンダー・レジーム / ニュー・エコノミー / ホームヘルパー / 高齢者社会 / データベース |
Research Abstract |
「ジェンダーレジーム」をキー概念としつつ,産業組織と労働のあり方,規制改革を含む福祉国家改革の実情に焦点をあてて「ニューエコノミー」の実相の本格的な比較分析を行うプロジェクトの中に、本研究は位置付けられており,2年目の本年は、日本の介護労働に関する調査分析、および同領域に関して海外共同研究者とのワークショップを行った。 1."Globalization, Gender and Work Transformation"ワークショップ(2003年9月27-30日、Hanse Wissenschaftskolleg Delmenhorst)に参加し、「有償ケア労働、ジェンダーレジームとニューエコノミー」として、実行中の介護労働調査に関して報告を行った。 2.「ホームヘルパーの技能とその向上に関する調査」を事業所対象に行った。ワムネット(独立行政法人 福祉医療機構の運営する福祉情報サイト)の介護事業者リストから、訪問介護を実施する、都内の1000事業所を無作為に抽出して、郵送によるアンケート調査を実施した。(有効回収率、30.2%) 3.上記調査、および同時進行していた調査(田中が分担者として関わっていた大手の介護事業所プロジェクト)の2次分析から,下記のような知見を得た。(1)地域密着型の事業所の場合大手事業所と比較して,登録ヘルパーの相対的位置付けが高いが、仕事の質向上のための対応は遅れ気味である。(2)ヘルパーの顕在化した行動からみると,感情的知性、コミュニケーション、感情管理、関係構築という4種類のスキルが存在する。(3)これらの4種類のスキルレベルは、管理者評価(初心者,中堅、ベテラン、超ベテラン)と相関する。(4)感情的知性、コミュニケーションスキル、および関係構築スキルは,経験とともに伸びる傾向にあるが,感情管理スキルは経験年数との相関がみられない。
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