2002 Fiscal Year Annual Research Report
ジェンダー化されたケア労働の形成に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
14594020
|
Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
矢澤 澄子 東京女子大学, 文理学部, 教授 (00106296)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 千沙 岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (70302049)
松川 誠一 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (20296239)
久場 嬉子 龍谷大学, 経済学部, 教授 (50014808)
|
Keywords | 介護保険制度 / ケア労働 / ホームヘルパー / ジェンダー / 労働過程 |
Research Abstract |
本研究の目的は、対面的な相互コミュニケーションを通して遂行されるケア行為のなかで、雇用労働者が行っているものを「ケア労働」と規定し、そのあり方を労働過程論の観点から理論的・実証的に研究することによって、ケアが女性職のケア労働として編成されつつある現代日本社会の特質を究明することにある。 社会福祉法人横浜市福祉サービス協会(以下、協会と省略)に所属するホームヘルプ職を対象とした調査を行ない、その結果を分析した。協会に所属するホームヘルパーは、常勤の嘱託から非正規ではあるが一定程度の労働時間が保障されているパートタイム、そして、労働時間の保障がない登録型まで多様な雇用条件のもとで働いている。介護保険制度の導入に伴って、労働条件の切り下げが発生しており、特にそれは常勤型のヘルパーに強く表れている。 ホームヘルパーの不満は、労働条件に関するものだけでなく、仕事の内容に係わるものにも起因している。現在の仕事に対する不満点として職種を問わず挙げられているのが、「精神的なストレスが大きい」という点である。ケア労働が対人関係の調整という「気を遣う」労働であること、在宅介護支援という職の形態が持つ労働の孤独性がその原因であるが、それに加えて、自由回答欄の記述の分析からは、そのストレスが介護保険制度におけるホームヘルプサービスという仕事についての利用者、社会からの無理解に起因するものがあるということが明らかになった。
|
Research Products
(1 results)