2002 Fiscal Year Annual Research Report
ジェンダー理論の法学教育への統合的モデル構築にむけた現状と課題の実践的研究
Project/Area Number |
14594024
|
Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
南野 佳代 京都女子大学, 現代社会学部, 講師 (60329935)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 敬子 京都女子大学, 現代社会学部, 講師 (60340444)
岡野 八代 立命館大学, 法学部, 助教授 (70319482)
江口 聡 京都女子大学, 現代社会学部, 講師 (30329932)
望月 清世 九州大学, 法学部, 助教授 (60346757)
藤本 亮 活水女子大学, 健康生活学部, 助教授 (80300474)
|
Keywords | ジェンダー / 法学教育 / フェミニズム法学 |
Research Abstract |
平成14年度の研究活動実績は以下のようである。6月8日(土)九州大学において研究会打合せを行い、研究分担の確認と、同年度の研究方針の詳細、ならびに研究会日程を決定した。平成14年度のテーマは「ジェンダーと法:米国ロースクール教育の実際」である。そのテーマのもとで、第1回・2回研究会(8月2日、10月6日、於京都女子大学)においては、主として米国におけるジェンダーと法にかかわる主要な理論的・実践的源泉であるフェミニズム法学の教育における水準と、理論的到達点を明らかにするために、必読・必修文献を選定するという方針を立てて、フェミニズム法学の論集を網羅的に渉猟した。その結果、フェミニズム法学が法学専門教育において実効性をもって行われるためには、フェミニズム法学の諸理論の徹底的な理解と、それらを実定法に適用するための法律諸分野の各論的理論との有機的連関の思考実践がきわめて重要であるとの認識に至った。その過程において、最も有用性が高く、諸問題を徹底して理解・考察させる、優れた編集として見出されたのが、フェミニズム法学のロースクール用教科書でのうちの一点である。その内容を詳細かつ批判的に深く検討するため、サブテーマを「ジェンダーと法の専門教育におけるテキストの役割」と設定した。第3回から7回、通算5回の研究会を費やし、米国法学専門教育におけるテキストの役割を見極め、日本の法学専門教育におけるジェンダーと法の教育の問題点を同定するための予備的研究ならびに、日本での応用可能性の実践的レベルでの評価を行うべく、各研究分担者が担当部分を紹介あるいは訳出し、全員で討論した。これらは、平成15年度の課題の足がかりとなるべきものである。なお、平成14年度の研究成果として、各研究分担者が各自の専門領域を中心に、法理論的、規範理論的論点についてフェミニズム法学の諸議論を検討する論文を準備中である。
|