2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14594026
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| Research Institution | Konan University |
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Principal Investigator |
北原 恵 甲南大学, 文学部, 助教授 (30340904)
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| Keywords | 表象 / ジェンダー / 天皇制 / 植民地主義 / メディア / ナショナリズム / アイデンティティ / 美術 |
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| Research Abstract |
本研究は、権力と視覚表象について、明治以降の日本の天皇・一家像(特に正月の「天皇ご一家」像)に焦点を合わせ、ジェンダーの視点から分析することを目的としている。
研究期間最終年度の本年は、(1)歴史的に明治初期まで「正月」新聞の形成過程をさかのぼること、(2)植民地下での天皇像/天皇一家像の表象と実態について明らかにすること、(3)美術作品における天皇/天皇一家像の収集・分析、を総合的に行なった。また、(4)15年戦争期の「戦争画」における天皇・皇后の視覚表象について、第2回大東亜戦争美術展を中心に調べ、「戦争画」というジャンルの構築過程について調査を開始した。
(1)に関しては、東京大学法学部附属近代日本法制史料センター「明治新聞雑誌文庫」所蔵が所蔵する近代日本の新聞附録に現われた天皇・皇室像を収集、一覧にまとめ分析した。また、錦絵・石版画に描かれた天皇・皇室像の歴史的な変遷を跡付け、新聞メディアとの関連を明らかにした。(2)に関しては、戦前の『京城日報』『毎日申報』『台湾日日新聞』『満洲日日新聞』における皇室表象を調査・分析した。(3)に関して。分析する視覚素材は、新聞や雑誌メディアに添えられた挿絵から、絵画として描かれた視覚イメージなど、大衆メディアもしくはハイアートのどちらかに限定するものではないため、天皇表象で検閲を受けた大榎淳氏など現代の美術作家へのインタビュー調査を行なった。
また、これらの成果の一部については、2003年5月29日、アメリカ合衆国カリフォルニア大学ロサンゼルス校・女性学センター連続講座の"Japanese Feminist Speak Out"(UCLA日本研究センター共催)において、招待講演を行ない、米国の日本学やジェンダー論の研究者と意見交換をする機会を得た。さらにこの二年間の研究成果を含んだ論文は、2003年度東京大学に博士論文として提出される予定である。(総合文化研究・超域文化科学表象文化論専攻)
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[Publications] 北原 恵: "「表象の戦争--消えた天皇・皇后像と「戦争画」」(連載アート・アクティヴィズム41)"インパクション. 135号. 144-149 (2003)
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[Publications] KITAHARA, Megumi(北原恵): ""La Grossesse et l'Accouchement de la princesse imperiale : une mise en scene mediatique""Review Ebisu(東京・日仏会館発行). Numero 30/printemps-et. 71-83 (2003)
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[Publications] 北原 恵: "「「〓〓」(史實)〓〓〓〓 〓〓〓・〓〓〓」(「史実」としての戦争画・歴史画)"《〓〓〓〓》〓〓(韓国)(歴史教育). 62. 5-22 (2003)
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[Publications] 北原 恵: "「削除された絵画--戦争画についての二、三の疑問」(連載アート・アクティヴィズム42)"インパクション. 138号. 116-123 (2003)
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[Publications] 北原 恵: "解放への共同作業(プロセス)「マッド・ウィメン・プロジェクト--パク・ヨンスクさんの写真表現」"インパクション. 140号. 100-115 (2003)
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[Publications] 翻訳(北原恵・池内靖子:共訳): "コンスタンス・M・ルウォレン「テレサ・ハッキョン・チャ--彼女の時代と場所」"インパクション. 136号. 114-132 (2003)
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[Publications] 森茂起編: "『心の危機と臨床の知(1)--トラウマの表象』北原恵「表象の"トラウマ"--天皇/マッカーサー会見写真の図像学」"新曜社. 227(93-119) (2003)
