2002 Fiscal Year Annual Research Report
下・排水の高度処理と連携させた水再利用システムの構築
Project/Area Number |
14595001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 達雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10029291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中林 昭 月島機械株式会社, 部長(研究職)
深澤 達矢 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80292051)
橘 治国 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90002021)
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Keywords | 窒素・リン除去 / 高度処理システム / 嫌気性流動バイオリアクター / 非イオン界面活性剤 / 下水の再利用 / Chlorolobion braunni / 塩素耐性藻類 / 三次元励起・蛍光スペクトル |
Research Abstract |
嫌気性流動層バイオリアクターと接触ばっ気槽を連設した高度処理システムをスケールアップしたパイロットプラント(それぞれの容積、約20m^3)を下水処理場に建設し、高濃度のリンおよび窒素を含有する返流水(全リン濃度、約60mg/l、全窒素濃度、約400mg/l)を連続処理し、実証実験を行った。平均滞留時間45時間に設定し、脱窒のための炭素源として初沈汚泥を利用したプロセスでは、リンおよび窒素の除去率はそれぞれ約85%および約90%に達し、高度処理システムとして機能することが判った。 下水にはノニルフェノールエトキシレート(NPnEO)などの非イオン界面活性剤が含まれ、その分解物のノニルフェノール(NP)は外因性内分泌撹乱物質として知られている。そこでNPnEOの下水処理過程および湖沼等の自然水域における動態について検討した。NPnEOの約65%が活性汚泥に吸着あるいは分解された。処理水中にはNP、NPnEO(n=1〜4)およびカルボン酸誘導体、ノニルフェノールカルボキシレート(NPnEC、n=1〜4)が検出されるが、親水性の強いNPnECが処理水や自然河川水中に最も高濃度に含まれた。 下水処理水は修景用水として再利用されるなど、都市の水循環に重要な位置を占めるようになってきている。下水処理水を修景用水として利用している小河川(札幌市安春川)を対象として、下水処理水の河川生態系への影響、特に付着藻類相に及ぼす影響について検討した。上流部では残留塩素の影響を受けて、塩素耐性の緑藻類Chlorolobion braunniが優占種であった。 下水や自然水の水質評価法として、三次元励起・蛍光スペクトル(EEM)法を提案し、フルボ酸、蛋白質様物質、合成界面活性剤、蛍光増白剤や入浴剤などの蛍光物質の定性・定量分析を行った。EEM法で得られる実験データをPLS (Partial Least Sguares)法で解析すると、精度の良い定性・定量が可能であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 東 隆司: "水環境中におけるノニルフェノール化合物の動態"第10回 衛生工学シンポジウム論文集. 10巻. 141-144 (2002)
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[Publications] 渡辺 隆司: "三次元励起・蛍光スペクトル法を用いた水質評価"第12回 環境化学討論会. (印刷中). (2003)
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[Publications] 東 隆司: "下水処理過程および水環境中におけるノニルフェノール化合物の挙動"第12回 環境化学討論会. (印刷中). (2003)