2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14596004
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 淑子 理化学研究所, パターン形成研究チーム, チームリーダー (10183857)
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Keywords | 分節 / 環形動物 / 再生 / 細胞増殖 / ヤマトヒメミミズ / in situ hybridization |
Research Abstract |
ヤマトヒメミミズは、近年日本国において発見された新種であり、高次機能を有する動物群の中では、唯一の完壁な再生能力を持つ動物とみなされる。また、からだに明瞭な分節構造をもつという観点からすると、ヤマトヒメミミズが属する環形動物は、脊椎動物と節足動物と並んで、分節の起源を探る上で極めて重要な位置を占める。 しかしながら、脊椎動物や節足動物に比べると、環形動物においては有用なるモデル動物も乏しく、それ故分節構造の成り立ちと進化的考察に関する研究は立ち遅れている。我々はヤマトヒメミミズの再生能力をうまく利用して、環形動物の分節機構を解明することを大きな目標として研究を進めており、今年度は主に、ヤマトヒメミミズの再生過程でなにがおこっているのかという基本的な知見を得ることに集中した。得られた結果を以下に示す。1)再生過程におけるからだの前後極性を知るために、5種類のHox遺伝子のcDNA断片を得た。2)より効率よくシグナルを得るためのin situ hybridization法を探索した。3)人工的にミミズを切断した直後、どの細胞種が再生過程の中心的な役割を担うかについて、増殖細胞のマーカーであるPCNAを用いて、切断後経時的にその発現を観察した。結果、ネオブラスト周辺の数細胞が最初に増殖を開始することがわかった。これに引き続き、表皮が増殖能を獲得することも観察された。4)再生過程に特異的に発現する遺伝子群を探ることを目的に、ESTプロジェクトを開始した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shiroi, A., Yoshikawa, M., Yokota, H., Fukui, H., Ishizaka, S., Tatsumi, K., Takahashi, Y.: "Identification of insulin producing cells derived from embryonic stem cells by zinc-chelating dithizone"STEM CELLS. 20. 284-292 (2002)
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[Publications] Sato, Y, Yasuda, K., Takahashi, Y.: "Morphological boundary forms by a novel inductive event mediated by Lunatic-Fringe and Notch during somitic segmentation"Development. 129. 3633-3644 (2002)
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[Publications] Suetsugu, R., Sato, Y., Takahashi, Y.: "Pax 2 expression in mesodermal segmentation and its relationship with EphA4 and Lunatic fringe during chicken somitogenesis"Mechanisms of Development. 2. 157-161 (2002)