2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14598002
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小穴 英廣 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20314172)
|
Keywords | DNA / 高次構造転移 / 分子内相分離 / 光ピンセット / スペルミン / 蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
平成14年度は、長鎖DNAの高次構造転移の様式、特に分子内相分離構造(多重ビーズ構造)生成メカニズムの理解と分子内相分離構造の安定性を調べるというテーマを中心として研究を行った。前者については、光ピンセットで補足した単一のDNA分子をイオン強度に勾配のある場の中を移動させてDNA高次構造変化を観察するという実験を行い、溶液のイオン強度が大きくなる程、DNA凝縮体の密度が小さくなり、ランダムコイル状態になっていく様子を蛍光顕微鏡法により、リアルタイムで直接観察した。多重ビーズ構造については、凝縮剤の種類や溶液のイオン強度を変化させて、出現する条件を探索し、安定的に存在する条件について検討を続けている。後者については、4価のポリアミンであるスペルミンの添加によってDNAがランダムコイル状態から凝縮状態へと高次構造変化する様子を蛍光顕微鏡法による単分子観察により行った。これと平行して、スペルミン存在下における制限酵素によるDNA切断反応を行い、DNA高次構造と制限酵素に対する感受性の相関を調べた。この結果、ある一定のスペルミン濃度以上で現れる凝縮状態のDNAは、高密度に折り畳まれた高次構造をとっており、制限酵素が切断部位に近づけなくなるために切断を受けないことが分かった。これらの結果は論文にまとめ、FEBS Letter誌に掲載された。また、高分子学会、生物物理学会等でも研究成果を発表した。
|
Research Products
(1 results)