2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期停止によるアポトーシスの分子機構に関する解析
Project/Area Number |
14599001
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安達 貴弘 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (50222625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍔田 武志 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80197756)
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Keywords | apoptosis / cell cycle / Kip1 / cyclin dependent kinase inhibitor |
Research Abstract |
リンパ球において細胞周期回転を停止させたときに誘導されるアポトーシスに関連する分子を検索するための系を確立することを目的とした。マウスBリンフォーマ細胞株WEHI-231を用いてこれまでに知られている数種の細胞周期停止を誘導する試薬についてアポトーシスの誘導を検討した。DNA複製阻害剤であるミモシンがWEHI-231細胞に効率よく細胞周期停止とアポトーシスを誘導することを見出した。このアポトーシスはアポトーシス阻害因子であるBcl-2により抑制されることを確認し、Bgl-2遺伝子をポジティブコントロールとして細胞周期停止に関したアポトーシスに関連分子の単離システムの条件検討を行い、Bcl-2遺伝子が2000倍以上濃縮できる条件をみつけた。WEHI-231を用いて細胞周期停止によるアポトーシスを誘導したものや無処理のものからレトロウイルスベクターを用いたcDNAライブラリーを構築し、至適化された条件で、細胞周期停止によるアポトーシスを誘導して、アポトーシス抵抗性細胞を回収した。これらの細胞からゲノムDNAを調製し、レトロウィルスベクターによって染色体に組み込まれたDNA断片の回収をPCRにて行った。PCRにより回収されたDNA断片の混合物をもう一度同じベクターに導入して、さらに細胞に導入してスクリーニングを繰り返したところ、c-Myc遺伝子が得られた。この遺伝子断片はレトロウィルスベクターにアンチセンス方向に導入に挿入されており、このベクターをWEHI-231に導入したものにおいて細胞周期停止によるアポトーシスを阻害することを確認した。このことからc-Mycが細胞周期停止によるアポトーシスに関与していることが強く示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] C.Wakabayashi, T.Adachi, J.Wienands, T.Tsubata: "A distinct signaling pathway used by the IgG-containing B cell antigen receptor"Science. 298. 2392-2395 (2002)
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[Publications] 安達 貴弘: "臨床免疫 アポトーシスのすべて"科学評論社. 9 (2002)