2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規アポトーシス誘導分子の病原体による発現増強機構の解析
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14599002
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
吉川 英志 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20252025)
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Keywords | アポトーシス / 肝細胞 / リンパ球 |
Research Abstract |
マウス肝臓細胞に由来するアポトーシス誘導分子を同定するため、マウス肝臓細胞の大量培養を行ない、種々のカラムクロマトグラフィーにてこのタンパク分子を精製し、SDS-PAGEおよび銀染色により単一バンドとなる分子量68kDaのタンパク分子を精製した。この蛋白は、マウスT細胞クローンおよびEL-4胸腺腫細胞、Bリンパ腫細胞などリンパ系細胞に選択的にアポトーシスを誘導した。またマウス由来のタンパク分子であるが、程度は弱いながらヒトのリンパ系細胞にもアポトーシスを誘導することが明らかとなった。しかし、単球/マクロファージ系細胞にはアポトーシスを誘導せず、リンパ球特異的に作用することが示された。この分子によるアポトーシス誘導のメカニズムについては、FasL、TRAILなどによるアポトーシス誘導機序と比較検討を行なったが、細胞表面のレセプターを介する可能性が高く、ミトコンドリア膜電位の低下を伴っている点、カスパーゼ依存性である点においてこれらと共通であることが示された。現在、アミノ酸分析に必要な純度と量のタンパクを精製し、その一次構造の一部を決定しよう試みている。タンパク分子精製の過程において、糖鎖付加などの修飾を多分に受けている可能性が示唆され、精製を繰り返すなかでアポトーシス誘導活性のあるいくつかの蛋白分子を分離精製することができており、アポトーシス誘導活性をもつ蛋白分子がヘテロな二量体などを形成している可能性が示唆された。今後さらに発展させ、DNAシークエンスの決定やアミノ酸配列の決定、抗体の作製など残された問題について明らかにしていく予定である。
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Research Products
(1 results)