2002 Fiscal Year Annual Research Report
高校普通教科「情報」における学習活動の評価観点・基準の整理と体系化
Project/Area Number |
14608006
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
岡本 敏雄 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (60125094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家本 修 大阪経済大学, 経営情報学部, 教授 (50184370)
正司 和彦 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (10029283)
近藤 勲 岡山大学, 教育学部, 教授 (50033361)
西野 和彦 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 講師 (70330157)
植野 真臣 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (50262316)
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Keywords | 新教科「情報」 / 情報教育の学習モデル / 評価問題データベース / 情報活用の実践力 / 第三者評価機構 |
Research Abstract |
本研究では,高等学校普通教科「情報」(以下,普通教科「情報」)における生徒の学習活動に対する評価観点および評価基準の整理と体系化を行った.特に,情報教育の3つの目標の内,「情報活用の実践力」に着目し,その評価法に関する研究を遂行した.「情報活用の実践力」は,「自ら学び,自ら考える力を育成すること」と密接に関連している.そこで,具体的にこれらの能力を評価する手法として,大学入試センター試験による評価の考察やそれに基づく模擬問題の作成,ポルトフォリオ評価の考察,および第三者評価機構のあり方の提案を行った.更に,前述の具体的な内容をふまえた評価問題のデータベースを開発した.また,イギリス等へ調査に行き,GCSE(General Certificate of Secondary Education)をはじめ,海外での情報教育の評価観点および基準の動向を調べ,考察を加えた. 本研究で述べる「情報」とは,IT機器によって処理されるデジタル情報のみならず,問題解決に関連する本質的な知識を重視するものである.学習者自身が問題を発見し,構成し,目的に応じて情報を活用(深い理解のために内容を洞察した処理の工夫)するプロセスを重視する必要がある.それゆえ,学習の成果を単なる知識量の増減のみで定量的に測定することは適切ではない.そのため,本研究では,評価法を「ペーパーワーク」(例;大学入試センター試験)と「コースワーク」(例:ポルトフォリオ評価)に分類し,各々の特徴ならびに評価手法を整理して,的確な評価基準を提案した.このような評価手法の整理により,学習活動に対する評価観点の体系化を行うことができた.、具体的には下記の項目について研究を行い,成果を得た. ・情報教育の指導と評価観点の整理と体系化 ・評価方法と評価組織の考察 ・評価問題データベースの開発
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Research Products
(27 results)
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[Publications] 岡本敏雄: "工学系大学院における産学共同教育プログラムの実践と評価-相互作用を重視したインターネット遠隔教育の一事例-"日本教育工学会論文誌. Vol.25,No.4. 247-258 (2002)
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[Publications] 田中善純: "e-Learningのための総合的学習情報管理システム-RAPSODY-δの開発-"信学技報. Vol.102,No.222. 35-40 (2002)
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[Publications] 岡田雅樹: "課題解決方学習のための分散Webポートフォリオシステム用相互作用支援機能の開発について"日本教育工学会研究報告集. JET02-5. 31-34 (2002)
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[Publications] 浦田武: "生活科における情報の交流活動を促す学習環境の開発"日本教育工学会第18回大会講演論文集. 789-790 (2002)
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[Publications] 中野勝之: "専門教科情報「モデル化とシミュレーション」のカリキュラム開発について"第28回全日本教育工学研究協議会全国大会. 399-402 (2002)
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[Publications] 山岸正明: "学校におけるホームページとプレゼンテーションの作成指導に役立てる評価法"日本教育工学雑誌第26巻増刊号. Vol.26,Suppl.2002. 201-204 (2002)
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[Publications] Maomi Ueno: "Web based Computerized Testing System"Proc. of International Conference on Advanced Learning Technologies 2002, IEEE Computer Science. 534-538 (2002)
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[Publications] 森石峰一: "大学および短期大学における情報教育の研究"高等教育研究叢書66,広島大学高等教育研究開発センター. 66. (2001)
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[Publications] 西野和典: "高等学校における情報教育の実践"教育システム情報学会誌. Vol.17,No.2. 139-143 (2002)
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[Publications] 香山瑞恵: "非同期型協調学習モデルの検討と支援機能の整理"教育システム情報学会第27回全国大会講演論文集. 251-252 (2002)
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[Publications] 岩崎公弥子: "e-Leaningシステムの評価指標に関する考察"日本教育工学会 第18回全国大会論文集. 223-224 (2002)
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[Publications] 山岸正明: "教育地球科学部における共通教育「情報リテラシ」授業の評価"鳥取大学 教育地球科学部紀要(教育・人文科学). 第4巻第2号. 231-247 (2002)
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[Publications] 永野和男: "新カリキュラムの実践と評価のための教育情報"日本教育情報学会論文誌. Vol.18,No.2. 53-58 (2002)
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[Publications] 牧野由香里: "表現・コミュニケーション能力の育成のためのスピーチ演習カリキュラムの開発"日本教育工学会論文誌. Vol.25,No.4. 225-235 (2002)
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[Publications] Nagano Kazuo: "the Efectiveness of ICT in Schools : Current Trends and Future Prospects"Digital Information Literacy in a Knowledge Based Society OECD/JAPAN SEMINAR. (2002)
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[Publications] Kurokami, H: ""OKOME" NHKs Full-Digital Material (2) Evaluation Data from a Pilot School"10th International Conference on Computers in Education. (2002)
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[Publications] Hishina, M: "Fundamental Study for Grouping Formation Module based on Personality Information"E-Learn 2002-World Conference on E-Learning in Corporate, Government, Healthcare, and Higher Education. (2002)
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[Publications] 鈴木克明: "NHKフルデジタル教材「おこめ」を用いた総合的学習評価の試み"日本教育工学会研究報告書. ET02-4. 33-36 (2002)
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[Publications] 渋井二三男: "WBTの運用とその評価"教育システム情報学会第27回全国大会論文集. 243-244 (2002)
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[Publications] 渋井二三男: "e-learningと情報文化の方向性"情報文化学会連合研究会論文集. 41-44 (2002)
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[Publications] 毛利瑞穂: "高等学校におけるコンピュータ使用が生徒の情報活用能力に及ぼす効果"日本教育工学会誌. Vol.26(suppl.). 85-90 (2002)
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[Publications] 波多野和彦: "3D素材を取り入れた多地点・小集団の連携による教育実践モデルの開発"日本教育工学会第18回大会講演論文集. 583-584 (2002)
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[Publications] 加藤浩: "教育ナレッジ循環型ネットワークシステムの研究開発"日本教育工学会第18回大会講演論文集. 615-616 (2002)
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[Publications] 岡本敏雄: "情報科教育法"丸善. 242 (2002)
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[Publications] 永野和男: "教育情報科コーディネータへの道"高陵社書店. (2002)
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[Publications] 岡本敏雄: "情報科教育のための指導法と展開例"実教出版. (2002)
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[Publications] 永野和男: "NHK高校講座 情報A"NHK出版. (2003)