2002 Fiscal Year Annual Research Report
超高齢化社会に突入した豪雪地域の地震防災まちづくりに関する企画調査
Project/Area Number |
14608016
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北浦 勝 金沢大学, 工学部, 教授 (70026269)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 有 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (90027235)
大垣 直明 北海道工業大学, 教授 (90048041)
川崎 一朗 京都大学, 防災研究所, 教授 (60115136)
伊藤 驍 国立秋田工業高等専門学校, 教授 (80042315)
沼野 夏生 東北工業大学, 教授 (20289721)
|
Keywords | 豪雪地域 / 防災 / 高齢化社会 / まちづくり |
Research Abstract |
豪雪地域の人口動態を見ると,高齢者率(65歳以上の人口/全人口)が40%を越える地域がある.このことは地震前の予防対策や,地震後の避難,避難生活を考える際に,高齢者への心配りや対策が特に重要となることを意味している.このような観点から本研究では,雪国の気象的特性と生活への影響,超高齢化社会の先取りなど,豪雪地域の諸特性を考慮しつつ,震害のシナリオ予測とその防災対策まちづくりのための共同研究を企画するものである. 研究は以下のように実施した. 1)地震経験の乏しい豪雪地域,特に小さい自治体では,雪の降らない地域のまねをしている場合が多い.そこで,研究者や各機関の防災担当者から成る合同会議を開催し,豪雪地域の地震防災計画のあり方について考え,問題点を抽出・整理した. 2)雪国の人口の約8割が木造家屋に住んでいる.そこで,最近の木造家屋に作用する荷重や屋根雪荷重作用時における地震荷重と家屋の破損との関係を調査するとともに,古人らの智恵としての防災対策を探った. 3)超高齢化社会は言い換えると災害要支援者の多い社会である.災害要支援者が地震時に無事に避難し,生き抜くためには,避難路,避難所の整備と周知徹底が必要である.そこで日常はもとより災害時にもバリアフリーに近い社会を実現するために,避難路,避難広場に求められる条件を見直すとともに,バリアフリー環境の形成について企画,議論した. 4)積雪による道路閉塞は,地震時の出火,延焼の拡大を抑制する初期消火活動に大きな悪影響を及ぼす.そこで,積雪期における道路閉塞の実態や除雪計画に関する調査を行った. 5)防災関係者との研究集会を開催し,豪雪地域の地震防災力向上のための改良策を議論し,地域としての防災力の底上げについて提唱した.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 北浦勝, 池本敏和 他2名: "ニューラルネットワークを用いた2001年大雪による交通障害の要因分析"第19回日本雪工学会大会論文報告集. Vol.19. 85-86 (2002)
-
[Publications] 深澤大輔: "高床式の雪国建物の耐震性に関する実態調査"第19回日本雪工学会大会論文報告集. Vol.19. 39-40 (2002)
-
[Publications] 大垣直明, 苫米地司 他1名: "北海道内の市町村における防災対策の現状"第19回日本雪工学会大会論文報告集. Vol.19. 41-42 (2002)
-
[Publications] 沼野夏生: "東北地方における高齢者向け冬季居住施設の実態について"第19回日本雪工学会大会論文報告集. Vol.19. 51-52 (2002)
-
[Publications] 青山清道, 木村智博: "十日町市と上越市における当期の地震防災訓練に関する2,3の考察"第19回日本雪工学会大会論文報告集. Vol.19. 55-56 (2002)
-
[Publications] 伊藤 驍: "融雪期の地すべり災害について"第19回日本雪工学会大会論文報告集. Vol.19. 103-104 (2002)