2002 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙環境における芸術表現の意義・可能性・方法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14651011
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
井上 明彦 京都市立芸術大学, 美術学部, 助教授 (30232523)
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Keywords | 宇宙環境 / 芸術表現 / 微小重力 / 空間感覚 / 形態感覚 / 宇宙飛行士 / コミュニケーション / ランドアート |
Research Abstract |
本年度は以下の四つの研究作業を行なった。 1)微小重力体験飛行の実施と実験結果の分析:2001年秋に私自身が行なったμG体験飛行において、顔面の膨張変形の記録、液状物質の挙動実験、大型バルーンを抱擁しての身体浮遊実験を試みたが、そのときの体験と映像記録を客観的に分析し、重力と形態感覚・身体感覚の構造的関係について考察した。 2)米国NASA研修と日本人宇宙飛行士との対話交流:8月18〜26日、ヒューストンのジョンソン宇宙センターおよびフロリダのケネデイ宇宙センターにて、展示施設、シャトルおよびISS整備組立工場、打上げ施設等にて研修を行い、写真・ビデオによる記録と資料収集を行なった。またヒューストンのNASDA事務所で、字宙飛行士の向井千秋、土井隆雄、若田光一、野口聡一の四氏と四時間近くにわたって会見した。内容は、宇宙環境下における空間感覚の準拠枠の相対性、感性的評価の構造的変容、字宙飛行士どうしのコミュニケーションを促す芸術表現の可能性、文化的背景のちがいによる宇宙体験の質的差異などについてである。本研修の映像記録をもとに、11月8日、京都市立芸術大学においてNASDA関係者の同席のもと公開制の研修報告会を行なった。字宙飛行士とのインタビューでは現在テープ起こしを行なっている。 3)ランドアート作品の視察:過去の芸術作品における宇宙意識のありようを探ることは本研究の重要な柱の一つであり、この観点から8月28〜29日、米国ニューメキシコ州にあるウォルター・デ・マリアの『ライトニング・フィールド』の現地視察を行い、またその前後にランドアートの背景をなすアメリカ西部地域の景観構造を考察、資料収集を行なった。 4)NASDA保管の宇宙実験の記録映像の検討作業:NASDAから過去の宇宙実験の記録映像データベースの提供を受け、芸術表現の可能性につながりうる映像の検討作業に着手した。/797字
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Research Products
(2 results)