2002 Fiscal Year Annual Research Report
国際教育協力プロジェクト・プログラムの評価手法の開発研究
Project/Area Number |
14651053
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
牟田 博光 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (70090925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 良 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 部長 (30141980)
中川 正宣 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (40155685)
赤堀 侃司 東京工業大学, 教育工学開発センター, 教授 (80143626)
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Keywords | 評価手法 / プログラム評価 / 構造的分析 / 開発調査 / 波及効果 / 費用対効果 / 国際教育協力 / 成果重視 |
Research Abstract |
他の分野と同様に国際教育協力分野においても、従来のプロジェクト評価だけではなく、プログラムの評価も行わなければならないという認識が強くなり、評価方法論の見直しが必要となっている。国際協力・援助プロジェクト、プログラムに関して、OECDの開発援助委員会の提唱する、評価5項目(妥当性、達成度、効果、効率、自立発展性)に即して、具体的にどの様に評価すれば良いかを理論的に検討すると共に、具体的な事例に則して評価手法を改善することが、本研究の目的である。全てのプロジェクトに万能な単一の評価手法はない。プロジェクトの性格に応じた多様な評価手法が必要である。プロジェクトが直接・間接にもたらす上位目標へのインパクトをどのように評価するかに特に留意する必要がある。 本年度は具体的な実践に即した、利用しやすいものを中心に評価理論のレビューを行った。これまでの国際教育協力プロジェクトの評価事例は方法論として不十分なものが多い。理論的な検討と同時に、具体的なプロジェクトに即して評価を行うことも必要である。学校建設や教員養成協力といった伝統的な協力の制限を越えて、教育の質の向上と量の拡大を直接目指したインドネシア国地域教育開発支援プロジェクト(REDIP)は、プログラムと行って良いほど多様な教育協力の試みを行っている。自立発展性を担保する為には行財政的な視点からの評価が特に重要である。REDIPには豊富なデータの蓄積があり、これを利用して、教育分野の国際協力の成果を実際に評価してみた。 共分散構造分析モデルにより、多くの説明要因がアウトカム変数を説明することを試みることによって、総合的な教育協力が全体としてアウトカムの成就に寄与できることを示すことができ、これらの評価手法が有効であることを実証した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 牟田博光他: "環境案件評価への取り組み-パネルディスカッション「国際協力に関する評価について:報告書」"財団法人 海外投融資情報財団. 133-202 (2002)
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[Publications] 佐久間潤, 豊間根則道, 牟田博光: "基礎教育の新たな可能性-インドネシア地域教育開発支援調査(REDIP)の事例-"国際教育研究. Vol.18, No,1. 71-80 (2002)
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[Publications] 戸井敦子, 牟田博光: "インドネシア中学校建設プロジェクトのインパクト評価"日本評価学会全国大会報告論文集. 3. (2002)
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[Publications] 牟田博光: "自立発展性の高いオイスカの人材育成"NGOによる人づくり協力. 180-183 (2002)
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[Publications] 牟田博光: "構造的評価に基づく総合的国際協力の試み"日本評価研究. 3(1). (2003)