公立文化施設における創造的な芸術教育プログラムに関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14651060
• Research Institution: Kochi University
• Principal Investigator: 上野 行一 高知大学, 教育学部, 教授 (40284426)
• Keywords: 美術館 / 鑑賞教育 / 芸術教育

Research Abstract

本年度の主要な研究実績は以下の3点にまとめられる。第一点は、前年度に実施したイギリスにおける先進的なプログラムの調査結果をまとめたことである。ニューキャッスル市を中心にイギリスの17施設・機関における実地調査についてのまとめを、現地調査資料の翻訳をもとに考察を加えておこなった。このまとめについては次年度に提出する報告書に記載する予定である。第二点は、市民が中心となる創造的な芸術プログラムの具体化のために、美術における鑑賞教育のありかたについてのセミナーを開催したことである。11月2.3.4日に千葉県川村記念美術館において実施された鑑賞教育セミナーを企画、運営した。これは本研究課題の具体的実施のための先行的な試みであり、本研究の考え方とこれまでの成果を広く知らせるものであった。セミナーには全国から美術館関係者、教師、学生など約100名が集まり、これからの創造的な芸術教育プログラムに関して活発な意見交換がなされた。第三点は、くもん子ども研究所および公文教育研究会の協力を得て、子ども美術鑑賞会を開催したことである。これは、昨年度の実績報告書であげていた、「学校・地域と連携した芸術教育プログラムを作成する。日本の美術館で同様におこなうには無理があり、第3者機関もしくは民間の支援が必要である」という課題に対応したものである。子ども美術鑑賞会は高知県立美術館および香川歴史博物館において3回実施された。