2002 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロネシアの民俗芸能に見る日本の植民地教育の影響に関する民族音楽学的研究
Project/Area Number |
14651066
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小西 潤子 静岡大学, 教育学部, 助教授 (70332690)
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Keywords | 唱歌 / 遊戯 / 日本植民地 / 教育 / ミクロネシア / パラオ / 民族芸能 / チューク |
Research Abstract |
まず、東京学芸大学、神戸大学付属図書館等で戦前の唱歌および唱歌遊戯に関する資料収集を行い、当時の日本国内における音楽教育の指導法についての調査研究を行なった。その結果、唱歌指導と遊戯指導が一体化していたことがわかった。これを手がかりとして、平成14年8月に約2週間、日本植民地時代に南洋庁がおかれたパラオに滞在し、当地の民俗芸能の現状についての調査を行った。その際、まずパラオ国立博物館副館長のオリンピア・モレイ氏を訪問し、日本の植民地教育の影響を受けたと思われる芸能のサーベイ調査および文献、ビデオ・テープなどの資料収集を行った。また、パラオ文化庁退官後も民俗芸能(踊り)の創作・指導者として活躍しているリオサン・サルバドール氏(1937年生)を訪問し、1)パフォーマンスの普及・継承・機会など、2)パラオの人たちの日本文化への関心や日常生活上での影響、3)日本の植民地教育、などについての聞き取り調査、およびビデオ・テープなどの資料収集を行った。その結果、最近創作された民俗芸能にまで、広く日本の植民地教育(とくに唱歌踊り)の影響が見られることがわかった。また、別の調査目的で平成14年12月にミクロネシア・チューク諸島を訪問した際、デュブロン島在住の日本植民地時代とその芸能に詳しいライモン・レーベン氏(1933年生)ほかを訪問し、聞き取り調査を行った。以上から得られた資料の整理作業をすすめるかたわら、研究成果の一部を公表(口頭発表および論文発表)した。
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Research Products
(1 results)