2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14651069
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
栄原 永遠男 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80102979)
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Keywords | SPSS / 正倉院文書 / 延喜式 / 物価変動 / 数値データ / 統計パッケージ |
Research Abstract |
1.本年度は、研究を推進するための基盤整備から始めた。主として使用する統計パッケージはSPSSである。そのソフトのオプションを購入し、従来から私有しているオプションとあわせて、SPSSの使用環境を整えた。 2.日本古代史史料の中でも、とくに多くの数値データを含むのは、正倉院文書と延喜式である。前者は、『大日本古文書(編年)』25冊として活字化されている。しかし、これには問題が多く、近年急速に進展した正倉院文書研究のレベルからすると、そのまま使用することはできない。かならず写真と照合する必要がある。このため、正倉院文書の写真版の一部分を購入した。これによって、従来の私有分とあわせて、正倉院文書を使用しうる環境が整った。なお、延喜式は、新訂増補国史大系本で、今のところ問題はない。 3.正倉院文書と延喜式から、すでに入力済みの数値データの点検、ならびに新たな数値データの入力を行った。 4.点検済みの数値データをパソコン統計学の専門家に示して、そのデータから何が引き出せるのか、どのような統計学的手法の適用が可能か、などの点について、2回にわたって専門的知識の供与を受ける機会を設けた。 5.正倉院文書には、物価関係の史料が含まれている。これを用いて物価変動の分析に取りかかった。その成果の一部は、「貨幣の誕生」(『新体系日本史12流通経済史』山川出版社、2002年8月)に利用した。次に、栄原「正倉院文書関係文献目録1〜3」(『正倉院文書研究』1〜3号、1993〜5年11月)にみえる論文数を数値データと見なして、正倉院文書研究の動向を分析した。その成果は、「正倉院文書の動向と個別写経事業研究の意義」(『奈良時代写経史研究』塙書房、2003年2月)としてまとめた。
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Research Products
(2 results)