2003 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア・ラジオ放送史の構築―メディア社会史・文化政策史の視点による国際共同研究
Project/Area Number |
14651070
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野澤 俊敬 北海道大学, 言語文化部, 教授 (60113601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 泰子 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 助教授 (00282509)
孫 安石 神奈川大学, 外国語学部, 助教授 (30321954)
貴志 俊彦 島根県立大学, 総合政策学部, 助教授 (10259567)
ベンジャミン ミドルトン 北海道大学, 大学院・法学研究科, 講師 (90360883)
川島 真 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (90301861)
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Keywords | 聴覚の近代 / メディア社会史 / メディア文化史 / 東アジア・ラジオ放送史 / 中国中心主義の克服 / トランスナショナルなメディア史 / ラジオの時代 / メディア政策史 |
Research Abstract |
本研究では、ラジオメディアというトランスナショナルな電子メディアについて、それが東アジアにもたらした「聴覚の近代」について、文学、音楽史、地域史、メディア史、政治外交史などの各分野の研究者が、立体的に解明しようとする試みである。本年度は、貴志俊彦編<特集メディアとプロパガンダ>(『アジア遊学』54号、2003年8月)にて各自が個別論文を発表するとともに、これまで日本におけるメディア史研究をリードしてきた20世紀メディア研究会と共同で「国際シンポジウム:東アジアにおけるメディアとプロバガンダ-政治・文化史への新視点」(11月22-23日、於:早稲田大学)を開催、内外から一線の研究者を招聘して集中的に議論をおこなった。ここでは、Rudolf G.WAGNER(ドイツ科学院会員)"A Western Import to Realize the Dreams of the Chinese Sages of Old : Introducing the Newspaper to Chinese Audiences,1872-1890"や、Maochun Yu (U.S.Naval Academy) "Role of Media in China during World War Two" は、欧米におけるメディア史の研究動向を紹介し、第一セッション「日本帝国下の植民地メディア」では、日本の「帝国」におけるメディアの状況が台湾史、韓国史、満洲文学の観点から語られ、第二セッション「メディア政策への新視角」では、戦前戦後のメディア政策や文化の新動向が披瀝された。これらの成果は、『Intelligence』第四号に掲載される予定であるが、04年度の本プロジェクトは文献目録や史料情報などのインフラ整備をおこないHPなどで発信しつつ、03年度シンポジウムでの成果、問題点(特に戦前戦後の連続性・方法論・ディシプリンとしての可能性・有効性など)をふまえ、それぞれの個別研究の成果をまとめつつ、学界に対して総合的な問題提起をおこなう予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 貴志俊彦: "国民政府による電化教育政策と抗日ナショナリズム-「民衆教育」から「抗戦教育」へ-」"東洋史研究. 66.2. 126-153 (2003)
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[Publications] 貴志俊彦: "重慶国民政府による日本語プロパガンダ放送"アジア遊学. 54号. 23-32 (2003)
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[Publications] 榎本泰子: "日本における洋楽の普及とラジオ放送"アジア遊学. 54号. 68-77 (2003)
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[Publications] 孫安石: "1920年代の中国における無線電信・ラジオ講演会"アジア遊学. 54号. 12-22 (2003)
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[Publications] 孫安石: "上海的無線広播与日語大東広播電台"租界里的上海(上海社会科学出版社)(上海市档案館). (所収). 121-130 (2003)
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[Publications] 川島 真: "満洲国とラジオ"アジア遊学. 54号. 33-42 (2003)