2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヴィクトリア朝英国ミドルクラスによる「日本のイメージ」の消費に関する学際的研究
Project/Area Number |
14651082
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
辻 みどり 福島大学, 行政社会学部, 教授 (90207366)
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Keywords | イギリス文化 / ヴィクトリア朝 / カルチュラルスタディーズ / ジャポニズム |
Research Abstract |
1平成14年度研究実施計画に基づき、国内外の文献による資料収集を行なった。 (1)国内図書館収蔵のヴィクトリア朝定期刊行物による資料収集 ・早稲田大学中央図書館収蔵のIllustrated London News(1870〜1885発行分)に目を通し、当時の知識人によって執筆された日本文化関連の紹介・批判記事について複写による資料収集を行ない、社会現象としての日本趣味浸透の概要を調べた。 (2)英国図書館収蔵のヴィクトリア朝文献による資料収集 ・British Library収蔵の審美啓蒙的ハウスホールド・マニュアルを網羅的に調べ、当時の審美改革者による、ミドルクラス家庭への日本趣味導入の啓蒙状況について調べた。 ・National Art Library(V&A)にスペシャル・コレクションとして収蔵されている「アート・ファニチャー」製造業者のトレードカタログを検索及び資料収集(高性能デジタルカメラによる撮影)し、文化生産者側の日本趣味導入過程を調べた。 ・British Library(Newspaper Library)収蔵のThe Queen(ヴィクトリア朝刊行の女性向け雑誌)1870年〜1885年発行分のマイクロフィルムに目を通し、日本文化関連の記事及び日本のイメージを利用した広告等について、複写による資料収集を行ない、日本趣味が当時の家庭に浸透していく過程を調べた。 2研究成果(3年計画中初年度経過報告として)を、以下のような手段で公表した。 (1)日本ヴィクトリア朝文化研究学会第2回全国大会(平成14年11月16日開催)における学会報告で成果の一部を発表した。タイトルは「"Aesthetic Reformer"による啓蒙活動の功罪-ミドルクラスの消費運動としての"Aesthetic Movement"-」。現在、当学会誌創刊号のための論文を準備している段階である。
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