不動産価格形成理論への戦略的条件付債券分析の応用

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14653013
• Research Institution: Nagoya City University
• Principal Investigator: 村瀬 英彰 名古屋市立大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40239520)
• Keywords: 不動産価格 / オプション / エージェンシー問題 / 戦略的CCA

Research Abstract

本研究では、不動産価格をその所有者や使用者が持つ権利の価格付けという視点から捉え直し、不動産価格理論の発展を目指している。オプション理論の応用により不動産賃貸など1つの不動産に複数の主体が関わる状況での価格形成についてモデル構築を行うことが研究の第1目的であるが、2002年度は、不動産賃貸契約において発生する貸し手・借り手の権利の価値を数量的に捉えるための価値評価モデルを構築した。このモデルに基づき、賃貸当事者にとって不動産価値が不動産のファンダメンタルズや賃貸契約を律する法制度によってどのような影響を受けるか解明でき、それら影響が不動産活用や賃貸活動にどのような効果を持つのか理論分析できることがわかる。これらの成果の発表については2003年4月より、機関投資家など不動産評価の実務を担う企業においてセミナーを開始する予定である。そして、理論が現実にどの程度適合するのかを意見交換し確認したい。また、不動産評価の現場に近いところから作業を起こすことによりデータの検討など実証的分析への道標を得ることも意図している。なお、本研究は企業金融論における価格付け理論と企業統治理論の融合を更に不動産という対象に応用するという2段構えの分析戦略を取りベースになる企業金融論についてもその発展を目指しているが、その点についても成果を得たので2002年度中にそれも論文にまとめた。

Research Products

• [Publications] 村瀬英彰: "なぜ起業は社会的に見て過少になるのか"オイコノミカ. 39・2. 23-30 (2002)
• [Publications] 村瀬英彰: "Security Mispricing and Investor Activism : A Coordination Problem"Nagoya City University Discussion Paper. 335. 1-23 (2002)
• [Publications] 村瀬英彰: "Knightion Entrepreneur and Firm Creation"Nagoya City University Discussion Paper. 327. 1-7 (2002)
• [Publications] 村瀬英彰: "Demosclerosis as a Coordination Failure"Nagoya City University Discussion Paper. 320. 1-10 (2002)
• [Publications] 村瀬英彰: "「不動産市場の経済分析」第8章"日本経済新聞社. 21/259 (2002)