2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14653022
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
水野 一郎 関西大学, 商学部, 教授 (70174034)
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Keywords | 海璽集団 / 価値創造経営 / EVA / TOC / 付加価値会計 / 中国会計制度 / 中国の管理会計 / 中国国有企業改革 |
Research Abstract |
本研究の初年度である平成14年度は、まず現代中国企業における企業管理および管理会計システムに関する文献・資料の収集活動を強化してきた。そして昨年9月に中国現地を訪問し、資料収集・調査活動も実施してきた。 青島では中国の家電メーカーを代表する海爾集団の見学とその経営管理システムについて調査した。ここでの調査の一端は次頁の研究論文にまとめている。また青島海洋大学管理学院において管理会計教育の意見交換をおこなった。この院長である徐国君教授のユニークな会計理論(労働者持分会計、三次元会計)についても研究論文で紹介・論評している。北京ではハイテクパークとして有名な中関村のベンチャー企業を訪問し、その企業家精神にふれてきた。また以前からの研究活動のパートナーである中国社会科学院の陳虹教授、天津財経大学の田昆儒教授などと中国企業の金融、経営管理、管理会計について意見交換をし、その後関係する文献・資料の収集活動を行ってきた。そこでは中国企業においても企業の価値創造活動が重視され、EVA(経済付加価値)やTOC(制約理論)などの理論が雑誌論文や著書において紹介されてきていることが明らかになった。中国の社会的政治的制度を残しながらも欧米の経営管理理論が一段と導入されているようである。 なお中国ではインターネットが急速に発展してきており、大きな国有企業や上場企業をはじめ大学や研究機関も含めてそれらのホープページで多くの情報が取得できることがわかってきた。電子メールの利用状況も一気に拡大している。科学研究費で購入したパソコンやソフト類は有効に活用できているが、この方面の強化は中国研究においてもますます重要となってきた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 水野一郎: "労働者持分会計から三次元会計へ--徐国君教授の所説を中心として--"会計(森山書店). 第162巻第4号. 77-90 (2002)
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[Publications] Mizuno, Ichiro: "Significance and Prospect of Throughput Accounting"Kansai University Review of Business and Commerce. No.5(March). 21-32 (2003)
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[Publications] 水野一郎: "付加価値会計の現代的展開-EVAとスループット会計に即して-"産業と経済(奈良産業大学). 第18巻第1号(印刷中). (2003)
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[Publications] 水野一郎: "現代中国の経営と会計"関西大学経済・政治研究所年報. (印刷中). (2003)
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[Publications] 水野一郎: "海爾集団の価値創造経営"『情報管理の体系的研究』(関西大学経済・政治研究所研究双書). (印刷中). (2003)