2003 Fiscal Year Annual Research Report
単体複体から無限次元非正曲率空間への組合せ調和写像と離散群の剛性の研究
Project/Area Number |
14654013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
納谷 信 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (70222180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井関 裕靖 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90244409)
内藤 久資 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (40211411)
金井 雅彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70183035)
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Keywords | 組合せ調和写像 / 超剛性 / 固定点定理 / アダマール空間 / ビルディング / 勾配流 / ミルナー・ウッド型不等式 |
Research Abstract |
研究代表者・納谷信は、研究分担者・井関裕靖と共同で組合せ調和写像の超剛性・固定点定理への応用について研究を行った。アダマール空間の接錐の一種の剛性を測る不変量(以下δと記す)を導入し、単体複体の各頂点のリンクの離散ラプラシアンの第2固有値がある程度大きく、アダマール空間の各点の接錐の不変量δがある程度小さければ、固定点定理が成立するという趣旨の結果を得た。当面の課題は、2次元以上のユークリッド的ビルディングの場合に、この不変量を計算あるいは評価することである。この問題は、球面的ビルディングの球面への埋め込みに関する幾何学的最適化問題と密接に関連しており、後者の問題について、ある1次元の球面的ビルディング(有限グラフ)の球面への最適な埋め込み(すなわち、埋め込み全体上のある汎関数を最小化するもの)を決定することができた。また、その応用として、ある2次元ユークリッド的ビルディングの場合に、この不変量の意味のある評価を与えた。像空間が局所コンパクトでない場合に、組合せ調和写像の存在が一般には保証されないことに鑑み、エネルギー汎関数に対応する勾配流を考察し、あるクラスの離散群(とくにカズダンの性質Tをみたすもの)の離散群の場合に、エネルギーの指数的減衰を導いた。これにより、これまでに得ていた固定点定理を像空間が局所コンパクトでない場合へ一般化することができた。現在、以上の研究をまとめた論文を投稿中である。 金井雅彦は、曲面群の微分同相群への表現に対するミルナー・ウッド型不等式について研究を行った。
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Research Products
(1 results)