2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14654021
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松本 眞 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70231602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 拓士 山形大学, 理学部数学科, 助手 (90333947)
萩田 真理子 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70338218)
榎本 彦衛 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00011669)
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Keywords | 擬似乱数 / 有限体 / 高速演算 / 並列計算 / メルセンヌツイスター / ダイナミッククリエーター |
Research Abstract |
擬似乱数生成や暗号化アルゴリズムの基礎となる、有限体の算術を高速に行う計算機プログラムを開発し、実装した。このアイデアはS.Gaoらによる群環による有限体の近似を用いるものである。S.Gaoらの方法ではハードウェア実装のみが考察され、そのままソフトウェア実装する場合にはフロベニウス演算が低速となり実用的でなくなる。我々はポインタを利用して冗長性を持たせたデータ構造を用い、さらに新しい冪の計算方法を導入することで、体の標数が3以上の時には既存の高速ライブラリより数十倍早い演算を実現した。例えば、世界中で広く用いられているC++の高速代数演算ライブラリNTLと比較した場合、標数が2の場合には我々の方法よりNTLのほうが高速だが、標数が3以上の場合には冪、逆数、フロベニウスなどの演算において我々の方法がNTLより数十倍高速である。この結果は乱数アルゴリズムや暗号アルゴリズムの実装の際有用であり、論文は出版予定となっている。 離散フーリエ変換に基づく擬似乱数の評価法を用いて、従来Cで標準的に用いられてきた擬似乱数発生プログラムrandom()およびran_arrayの問題点を明らかにした。具体的には、数枚のコインによるコイン投げギャンブルをシミュレーションしたとき、どんどんお金が儲かる最適手法を求めた。現在実験を続け、論文を準備中である。 上記評価法は2元体上の線形擬似乱数にしか適用できないものであったが、一般化マックウィリアムズ恒等式を用いることで一般の有限アーベル群上の線形漸化式で生成される擬似乱数に対して同種の評価が行えることが判明し、この方向での研究に着手した。 また、分散処理システム上で用いる擬似乱数発生法として、メルセンヌツイスターおよびダイナミッククリエーターの配布を行い、乱数配置の問題に関するグラフ理論的研究を進行させている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Makoto Matsumoto, Yoshihiro Tagami: "Practical Fast Algorithm for Finite Field Arithmetics Using Group Rings"Hiroshima Mathematical Journal. (発表予定).
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[Publications] Y.Egawa, M.Hagita, K.Kawarabayashi, H.Wang: "Covering vertices of a graph by k disjoint cycles"Discrete Mathematics. 270. 115-125 (2003)
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[Publications] K.Ando, M.Hagita, A.Kaneko, M.Kano, K.Kawarabayashi, A.Saito: "Cycles having the same modularity and removable edges in 2-connected graphs"Discrete Mathematics. 265. 20-30 (2003)
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[Publications] Y.Egawa, H.Enomoto, R.J.Faudree, H.Li, I.Schiermeyer: "Two-factors each component of which contains a specified vertex"Journal of Graph Theory. 43. 188-198 (2003)