2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14654030
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
坂口 茂 愛媛大学, 理学部, 助教授 (50215620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 徹太郎 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90216010)
橋本 貴宏 愛媛大学, 理学部, 助手 (60291499)
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Keywords | porous medium方程式 / 多孔質媒質 / 混合境界条件 / 時刻無限大での挙動 / 変数分離解 / ガスの拡散 / 初期境界値問題 / 楕円型境界値問題 |
Research Abstract |
まず研究経過として特記すべきことは、平成15年2月に約3週間、海外共同研究者のR.Magnanini教授(イタリア・フィレンツェ大学)を愛媛大学へ招聘し共同研究を行ったことである。 次に今までに得られた研究成果と今後の課題について述べよう。ユークリッド空間の有界領域Ω上での混合境界条件下のporous medium方程式の初期境界値問題の解u=u(x,t)の時刻無限大(t→∞)での挙動について考察した。変数分離解の空間変数xにのみ依存する部分をf=f(x)とおくとf(x)は混合境界条件下のある非線形楕円型境界値問題の正値の一意解になり、このとき、もし初期値u(x,0)に不等式0≦cf(x)≦u(x,0)≦Cf(x)を満たす2つの正定数cとCの存在を仮定すれば、解u(x,t)の時刻無限大での挙動は変数分離解で記述されることがわかった。そこで、次の課題は、初期値u(x,0)は単に非負で必ずしも上の不等式を満たさない場合に、ある十分大きな時刻T>0が存在してu(x,T)が上の不等式を満たすことを証明することにある。これが示されれば、もちろん解u(x,t)の時刻無限大での挙動はいつでも変数分離解で記述されることがわかり、多孔質媒質からなる領域Ωからガスが一番逃げないようにするには面積Aの窓Γをどのように設計すればよいかという問題は、Γの面積がAであるという制限の下でf(x)のΩ上での積分値を最大にする問題とみなせる。
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